矯正教育・医療・地域の現場ASIAS for Disturbed Children
アーティストが矯正教育・医療・地域の現場に
ダンスや演劇、音楽などの分野で活動するプロの現代アーティストが、少年院・小児病院・子どもの居場所などの現場に出向き、職員や地域の方々と協力しながらワークショップを実施します。
劇場やホールに子どもたちが足を運ぶのではなく、子どもたちの日常の場に、アーティストがさまざまな企画を持って訪れます。
またワークショップは、コンサートや演劇鑑賞のような受動的な活動ではなく、子どもたち自身が主体的に取り組み、体験する活動です。
近年、活動場所は多岐にわたっており、様々な現場でアーティスト・ワークショップを実施しています。
各現場での活動の記録を下記にまとめたので、是非ご覧ください。
少年院での活動
アーティスト・ワークショップの体験は、今の社会で生きづらさを感じている子どもたちにとって、その後の人生を生きていく上での何かの力になるかもしれない…そんな思いから、2022年度より少年院での活動をスタートしました。
※少年院とは?…家庭裁判所から保護処分として送致された少年に対し、その健全な育成を図ることを目的として、矯正教育や社会復帰支援等を行う法務省所管の施設です。
活動の様子
①東日本少年矯正医療・教育センター(東京都昭島市)×セレノグラフィカ(ダンスカンパニー)
②宮川医療少年院(三重県伊勢市)×水内貴英(美術家)
シンポジウム
2024年1月14日に、東日本少年矯正医療・教育センター(少年院)での身体表現ワークショップ事例をを元に、アーティスト・ワークショップが、少年院にいる子どもたちにどのような影響をもたらすのか、その可能性について探るシンポジウム「少年院×アーティスト~矯正教育におけるアーティスト・ワークショップの可能性~」を開催しました。
■シンポジウムのコラム記事
【前編】講演:『生きづらさを抱える少年院の子どもたちへの対応の現状と課題』
【中編】講演:『東日本少年矯正医療・教育センター(少年院)でのアーティスト・ワークショップの取り組みについて』
~セレノグラフィカによるミニワークショップ付~
【後編】フリーディスカッション:『“矯正”とは何か?』
~子どもたちが社会で生きていくために、アーティスト・ワークショップができること~
小児病院での活動
2021年度から、小児病院での取り組みを始めました。コロナ禍でも楽しめるYouTube動画の作成からスタートし、2023年度以降には、動画と共に、病室とアーティストをオンラインでつないだワークショップや、外来ロビーでのコンサートワークショップなどを実施しています。
※小児病院とは?…病気や障害のある小児に医療と福祉を一体として提供している病院です。
活動の様子
埼玉県立小児医療センター×新井英夫さん(体奏家・ダンスアーティスト)、板坂記代子さん(ダンサー・美術家)、はしむかいゆうきさん(音楽家)
シンポジウム
2024年3月22日に、埼玉県立小児医療センターでの事例を元に、小児病院での子どもたちの実態や、心のヘルスケアについて参加者と学びを深めるとともに、これまでの活動を振返り、今後の課題を考え、協働の輪を広げるオンラインシンポジウム「小児医療におけるアートを活用した心のヘルスケア」を開催しました。
■シンポジウムのコラム記事
【前編】・講話:『チャイルド・ライフ・スペシャリストの仕事と、子どもたちに必要なケアについて』
・講話:『埼玉小児医療センターでの様々な取り組み紹介と「ちゃっちゃ☆チャンネル」について』
【後編】フリーディスカッション:「小児医療におけるアートを活用した心のヘルスケア」をテーマに、病院でどのようなアート活動のニーズがあるか、「ちゃっちゃ☆チャンネル」の今後の課題や可能性について
子どもの居場所での活動
学校や施設ではない、地域にある様々な「子どもの居場所」にて、2019度より活動を続けています。
※子どもの居場所とは?…子どもたちが家でも学校でもなく居場所と思えるような場所のことです。人とのつながりや教育・体験の機会を通じて子どもの自己肯定感をはぐくみ、貧困や孤独・孤立の解消、コミュニティの再生などの役割も担っています。
<豊島区内子どもの居場所での活動>