柳楽 晃太郎 (なぎら こうたろう)
芸術家
1983年に岡山県に生まれる。幼少期を祖父の工場(ゴザの織り機の製造)兼自宅で手伝いをしながら過ごす。2004から6年間、東京芸術大学の学部と大学院で染織を学ぶ。大学院修了後、2010年から5年間、横浜美術大学工芸領域の専任助手として務める。2015年から1年間は文化庁新進芸術家海外研修員としてドイツのルール工業地帯にある労働者階級の街Bochum(ボーフム)に滞在した。現在はアーティストとして活動をおこなっている。
柳楽は織るという行為から見出した要素と古着や廃材を組み合わせて認識論的に世界の有り様を表現する現代芸術家だ。彼の活動は織るという行為を「布を作る」という観念から解放しその本質を追求している。
その活動は2013年に行われた越後妻有里山現代美術館キナーレで行われた「大地を包む」展で行われたアートパフォーマンス「ギッコンバッタン〜世界一の布を織る〜」から始まる。
次に2014年に横浜の黄金町Side-aギャラリーで行われた「織る」で初めて現在のテーマでの作品を発表し、その後東京の浅草橋にあるマキイマサルファインアーツで2度目の個展「織る#2」を開催、同ギャラリーでのグループ展「織—男3人展—」では織作家を集めた作品発表とキュレーションを行った。
2015年には、3331アートフェアに招待されそこで発表した作品「A piece of wall」は3331賞を受賞。また「備中アートブリッジ2015〜笠岡諸島アートブリッジ〜」にアーティストとして参加し、岡山県笠岡市白石島で1ヶ月間のレジデンスを行い「表現者の島」という作品を発表した。
2016年には台湾の台中国立歌劇院でワークショップ「音楽の記憶を織る」をおこなった。またドイツではDamme の博物館シューネライバーでの個展「World Wide Weven」や、Bochumのタンテヨーガンズカフェでは難民をテーマにした個展「Stopped WEAVING the cloth, Decided WEAVING the world」を開催し地元の新聞の取材を受けるなど反響を呼んだ。又、同年の6月にはデュッセルドルフのギャラリーVOSSでグループ展「crossing border」に参加した。