「親子でいっしょにホンモノのアートにふれてあそぼう!」
ぞうしがや こどもステーション 参加者のこえ
親子でいっしょに
ホンモノのアートにふれてあそぼう!
当NPOが2017年6月より、豊島区文化デザイン課と一緒に運営している「ぞうしがや こどもステーション」。子育て中の親子・家族が一緒に楽しめるあそびのスペースです。ダンス、音楽、演劇、絵本など、さまざまなジャンルのアーティストによる、0歳から小学生くらいまでの子どもとその家族を対象にしたワークショップを、土日祝日に開催。小さいお子さんと一緒に、ゆったりアートを楽しみながら、参加者同士で交流できる地域の交流拠点として、少しずつ地域に根付いてきています。
今回は、「ぞうしがや こどもステーション」の“顔”とも言える、当NPOスタッフの“まいぼ”こと渡辺麻依が、オープン初期から活動を支えてくださっている参加者の方々に、「ぞうしがや こどもステーション」の魅力について、インタビューを行いました!
「ぞうしがや こどもステーション」の詳細については、こちら
【子どもの「ありのまま」を受けとめてくれる時間】
●参加者:
戸塚さん(5歳の男の子のお母さん)
赫さん(5歳と1歳の男の子のお母さん)
伊藤さん(4歳の男の子のお母さん)
●インタビュアー:渡辺麻依(芸術家と子どもたち 事務局スタッフ)
●インタビュー日:2019年8月4日(日)
※写真は、「ぞうしがや こどもステーション」で実施している様々なワークショップの活動風景を撮影したものです。
―ぞうしがや こどもステーションのプログラムには、どうして参加されようと思ったのですか。戸塚さんは、オープンの時から来てくださってますよね。
戸塚さん:きちんと覚えてはないのですが、私自身、たぶん外で遊ぶことに疲れてきてたんですよね。公園などの子どもと一対一で遊ぶところに。ここに来れば、誰かがいて、色んなことをやってくれて、楽しめるかなと思ったんです。ホームページを見つけて、近いし、来てみようと。あまり遠かったり値段が高いとハードル高いのですが、私にとっては、距離も値段も手頃だったんです。
赫さん:区民ひろばに置いてあった、ぞうしがや こどもステーションのチラシを見て、ここのことを知りました。普段から結構、土日は外に出歩くのが好きなので、土日のイベントをいつも探してたんです。
伊藤さん:子どもに何か習い事をさせたいな…と思いながら、これ!というものが見当たらなくて。水泳とか公文とか、そういうのが向いてる気があんまりしない。歌って踊るのは結構好きだったから、そういうの何かないかな~って友達に話したらここを教えてくれて。試しに1回って来てみたら、子どもも結構楽しんでたので、それがずっと継続してる感じです。
―実際にプログラムに参加されてどうでしたか。お母さん自身が感じられたこと、子どもの様子をみて感じたことなど、印象的だったことを聞かせていただけたら嬉しいです。
戸塚さん:初めて「えほんの会」にきた時、一発で息子がみずゑさんを大好きになってしまって。ここに来ると、ハイテンションな読み聞かせを体験できるのが、息子も私も楽しいんです。
戸塚さん:「からだあそび」は、私が参加したくて来ています。運動不足の自分を戒めるために(笑)。プログラム中にやったヒコウキは、家でも遊んでますね。
―初めて「からだあそび」に参加した時から、戸塚さんの息子さんが、ちょっとずつ変わってきている様子が、とてもいいなぁと思いながらいつも見てます!赫さんはいかがですか?
赫さん:個人的には、「えほんの会」がすごく面白くて。大人も一緒に参加できて、子どもがびっくりしたり笑ったりっていうのを、とても身近に感じられるんです。他の知らないご家族とのふれあいもあって、こんな考えもあるんだとか、こんな絵かくんだとか、自分達だけの世界では発見できないことに出会えるというのも、すごく面白くて印象的です。家での読み聞かせも、ただ読むだけじゃなくて、身体を動かしながら読んでみようとか、書いてあることと違うことをやってみようとか、色々やってみたくなりますよね。
赫さん:あまり参加者が多すぎると、アーティストの方との関わりが密にはとれないけれど、ここぐらいの少人数だと、アットホームでとても良いです。子どもたちと同じ目線に立って遊んでくれたり、終わった後にお喋りしたり、アーティストの方を身近に感じられるのもいいなと思います。
―このくらいの広さだからこそ、初めての方でも、アーティストや他の参加者の方との距離を縮められるのかもしれませんね。伊藤さんはいかがですか?
伊藤さん:初めて参加したプログラムで、とても活き活きしている息子を見られたのがすごく嬉しくて。息子とアーティストの方が一対一で踊っていた姿が印象に残っていて、それが続けてここに来ていることに繋がっていると思います。子どもにとっても、親にとってもいい時間だなと思っていて。アーティストの方が、子どものありのままを受け入れるスタンスでやってくれているのがとてもありがたいです。息子は、結構やんちゃな方なので、たぶん型に入って、「みんなで一緒にやろうね」という感じだとはみ出すだろうなと。でも、そういう姿も「いいね」って言ってくださるので、息子もここに来るのを嫌がらないし、私もとても助かるし、親子で楽しめるんですよね。
伊藤さん:親と保育園の先生以外の大人とふれ合えるし、その大人も子どものありのままを認めてくれているというのが、息子にとっても意味があるのかなと感じています。先生が先生過ぎず、「アーティスト」であるというのがバランスいいのかなと。他の参加者の方も、結構親自身が楽しんでる感じもすごく素敵だなと思います。
―「ぞうしがや こどもステーション」での体験が、普段の子育てに役立っていることなどありますか。
伊藤さん:私、家で時々、一緒に踊るようになりました。ちょっと音楽かけて踊ろっかって言って踊ると、子どもがすごく嬉しそうにするんですよ。相当私の気が向いた時だけですが(笑)。でも、子どもってこういうことが好きなんだっていうのが、ここに来て分かったのはありがたいですね。あとは、トンネル!外遊びとかネタが無いんですけど、ここに来て遊びのネタが見つかったなと。あと、なんでも叩いたら楽器になるとか、本当に色々なヒントをもらっています。
―「ぞうしがや こどもステーション」って、皆さんにとってどういう場所ですか。皆さんすごく仲良くなられて、子どもたちもみんな兄弟のように見えるんですけど、他にこういう場所ってありますか。
戸塚さん:ワークショップをみんなで一緒にやって、ご飯を食べて…という流れが、子どもたち同士もより親密になるし、親同士も心を通わせやすくなるし、区民ひろばなどとは、また違った良さがあるなと思いますね。
伊藤さん:「ぞうしがや こどもステーション」のプログラムは、全く子どもの負担になっていないというか、押しつけがましくない感じが、ちょうどいいなと。でも、きちんと身体を動かしたり、音楽の楽しさを感じられる、このバランスが素敵だなと思います。ひとイベント終わった後、参加者同士でなんとなく仲間意識が生まれて、話ができるのも大きいですね。「さっき息子さんすごかったですね」「楽しそうでしたね」とか、子どもたちの様子を見てから、会話ができるっていうのもいい気がします。
―ワークショップ中、親子チェンジをしてみたり、他のお子さんとの交流の機会もあったりしますよね。
戸塚さん:他の親子向けスペースでは、知っている人でないと声をかけづらかったりするんで、なかなか参加者同士で交流の機会がもてる「ぞうしがや こどもステーション」みたいなところはないかなと思います。子どもがワークショップに参加してもしなくても、嫌な顔されないのが本当に助かるんです。(一同笑い)危なくなければOKというのもありがたいですね。
赫さん:男の子だと、どこに行っても女の子と差が付いてしまったり、他の子に迷惑かけないかな…って心配したりするけど、ここだとみんな許容してくれるというか、「うちもそうだよ」って共感してもらえたりするのも、安心しますよね。
―今後、「ぞうしがや こどもステーション」で、アーティストとこんなことをしてみたいということはありますか。
伊藤さん:みんなで何か一つの作品をつくって、発表会のようなことができたらいいなと思います。学校とはまた違った環境で、こうした芸術活動が好きな子たちが集まったところで活動することで、色々いい刺激を受けるんじゃないかなと。
赫さん:これまで、色々なプログラムに参加させてもらって、息子の年齢も上がってきたので、「子どもたち同士だけで何かやる」っていう、子ども同士で調整したり話し合ったりできるようなプログラムも見てみたいなと思います。
戸塚さん:まずはこのプログラムにちゃんと参加できるようになって欲しいです。(一同笑い)でも、そこは多くは求めず、たぶん何も求めないでゆる~くやっていくのが今はいいのかなという気がしています。
―皆さん、お話ありがとうございます。ぜひこれからも「ぞうしがや こどもステーション」に遊びに来てください!
「ぞうしがや こどもステーション」も、オープンから2年半が経ちました。オープン初期は、ほとんど活動に参加できなかった子が、今ではすっかり場に馴染み、率先してみんなを引っ張っていってくれる存在になったりと、子どもたちの成長と共に、「ぞうしがや こどもステーション」も年を追うごとに賑やかな場所になってきています。これからも、子どもと大人が一緒に楽しめる場づくりを、
編集:NPO法人芸術家と子どもたち