芸術家と子どもたちでは今年度、令和5年度(補正予算) 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業の支援を受けて、豊島区内のひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち、母子生活支援施設の子どもたちなどとのワークショップを実施しています。

この企画では、演劇・身体表現・美術・音楽など様々なジャンルのアーティストが関わってワークショップが進行しており、今回のブログでは、演劇チームを担当している渡辺麻依さん(以下、まいぼ)と、年中~小学3年生の子どもたち5人とのワークショップの様子をお届けします。

実施概要
対象:豊島区内に住む年中~小学3年生の子どもたち5人
実施日:2024年9月14日(土)
アーティスト:渡辺麻依(演出家・俳優)
アシスタント:佐藤円(俳優)、ケンノスキー(俳優)、鈴木亜希子(俳優)

※昨年度までの活動はこちら


認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークの協力をえて、参加者となる子どもたちと出会い、今年度のワークショップをスタートして4回目となるこの日。 まだ少し緊張した面持ちでいる子や、早速アーティストとお喋りを始める子、黒板にお絵描きしている子など、それぞれの過ごし方で始まりを待っています。

「寒くなる季節に、みんなで<ほしの物語>の発表会をしたいと思ってるんだ。そのために、今日はみんなで<おかしなおかしのほし>をみんなでつくりたいんだけど、どうかな?」 まいぼが子どもたちに相談するところからワークショップはスタート。

見本の傘を見ながら、「わたあめに見える!」「アイスの実がついてる!」と嬉しそうに声を上げる子どもたち。
色とりどりのビニール傘から、自分のお気に入りを1本選び、早速<おかしなおかしのほし>づくりが始まります。

「何つくろうかな~?」と、カラフルなカッティングシートを好きな形に切りながら、お喋りも弾みます。
「この形きっておいて!」と、ちょっと大人の手を借りたり、
「それめっちゃいいね!」と、友達のアイディアを真似してみたり、
「ハイチューつくれるかな?」と、おかしのイメージを膨らませてみたり。

 

完成に近づいてくると、「隠れハート探してみて!」「ねこちゃんの隠れ家みたい~」などなど、子どもたちの遊びも広がっていきます。

 

ちょっと他のことがしたくなったら、自分だけの休憩タイムもちょくちょく挟みつつ…

全員の<おかしなおかしのほし>が完成したら、それぞれ何味なのかを発表します。
ソーダ味、イチゴオレ、バニラ、フルーツ、ほね味まで! 個性豊かな<おかしなおかしのほし>が揃いました。

最後は、子どもたちから出てきた言葉を繋げて、まいぼが歌をつくってくれました。
優しいウクレレの音色に合わせて、みんなも気に入った楽器を奏でながら一緒に歌います。

すぐに歌詞を覚えられなくても、リズムがバラバラでも大丈夫!
カラフルな<おかしなおかしのほし>に囲まれて、思い思い楽しそうに音を奏でたり、歌ったり、身体を揺らしたりしている子どもたちの姿は、
もうそれだけで、お芝居の1シーンのように素敵な時間が流れていました。

「次回もまた来てね!」と約束をして、今回のワークショップはおしまい。
「次はお面もってこようかな~」など、次回を楽しみにしてくれている様子が嬉しい、あっという間の90分でした!

ワークショップ実施にあたり、サポートしてくださった保護者や地域の皆様、そして、ご支援くださった令和5年度(補正予算) 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業の皆様に、この場を借りて心よりお礼申し上げます。


主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
助成:令和5年度(補正予算) 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業
協力:認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、社会福祉法人 愛の家 愛の家ファミリーホーム、まなびすたーり

三重県伊勢市にある宮川医療少年院にて、水内貴英さん(美術家)と中学生の子どもたち11人とのワークショップを実施しました。2日間連続、各回90分・120分の実施となったワークショップの様子をご紹介します。

『わたしがいる場所~小さな世界を作ろう』と題された今回のワークショップで大切にしたのは、一人ひとりが「自由に作ろうとする」体験をすること。
「自由に作る」というのは、楽しいことではありますが、同時にとっても難しいことでもあります。施設の特性上、自由が少ない環境に身を置いている子どもたちが、そこに挑戦することで、これから社会で生きていく上での何かの力に繋がっていけば嬉しいなと思いながら、ワークショップの場を紡いでいきました。

体育館に並んだ2mほどの高さがあるシーツテント。中には電球が1つ吊るしてあります。
「これから2日間かけて、一人一つ、テントを自由に自分の空間にしていいです。作りたくなかったり、どうしようか悩んだりしたら、テントの中で寝ててもいいんだよ。」という水内さんの声掛けに、少し驚きながらも、開始と同時に早々に手を動かし始める子どもたち。

材料は水彩絵の具、油性マジック、色紙、カッティングシート、毛糸、リボン。それらを自由に使って、それぞれの空間を形作っていきました。

「テントの中をプラネタリウムみたいにしたいのだけど、どうしたらいいですか?」
「虹を描きたいんですが、虹の色の順番教えてもらえますか?」
「紫色って、どうやったら作れるんでしたっけ?」

水内さんはじめ、私たちが何か指示したり誘導したりすることもなく、子どもたちそれぞれに、作りたいものやイメージがあり、そこから生まれる疑問や課題に、大人が応えていくような形で進行していった今回のワークショップ。

自分の作品を描ききると、ふと隣の子の作品を見て、「それ、いいね」と声をかけ合っていたり、「こっちもこうしてみようかな」と新たなアイディアを思いついて作品に反映させている姿も印象的でした。

あっという間の2日間。ワークショップ終盤には、体育館の電気を消して、テントの灯りを楽しんだり、一人ひとりの作品鑑賞ツアーも行い、こだわったところ、みんなにみてほしいところを話してくれる子もいました。

ワークショップ終了後、子どもたちが書いてくれた感想文をいくつか紹介します。


・今まで美術というものに対して好きとか楽しいという気持ちをもったコトがほぼありませんでしたが、今回の体験で、美術への考え方がグッと変わりました。

・何事も実践してみたりしている時間が良いなと思いました。

・(印象的だったのは、)他の人がくふうして作っているのを、そんなふうに使えるんやと、見て面白かったこと。自分の想像で、いろいろなことを考え作って楽しいと感じられたこと。

・絵をかいている時は夢中で、ずっと集中していました。作業一つ一つが楽しかったです。

・今までは先生からやらされているような感覚があり楽しめませんでしたが、そのような感覚もなく、自分から考えていく楽しさがありました。

・美術の勉強をしたいので出来たら又来てもらえるとうれしいし、楽しそうな風に思うので又お願いします。


芸術家と子どもたちとしても、初めての経験となった少年院での美術ワークショップ。
子どもたちから湧き出て来る発想力や創造力に、驚かされ続けた2日間でした。

突然来た私たちを快く受け入れてくれ、臆することなく「自由に作ること」を楽しんでくれた子どもたち、また、子どもたちが安心して楽しく活動に参加できるよう、心を尽くしてくださった水内貴英さん、そして宮川医療少年院の先生方に、この場を借りて心から感謝申し上げます。

【助成】公益財団法人 ベネッセこども基金

R5(2023)年9月より実施している「そだちのシェアステーション・つぼみ(清瀬市)」での、武徹太郎さん(音楽家・美術家)と子どもたちの音楽&美術ワークショップ。
今回はワークショップレポート第3弾をお送りします。

●これまでのワークショップの様子
>>『うたう、つくる、あそぶ』ワークショップレポート vol.1

>>『うたう、つくる、あそぶ』ワークショップレポート vol.2

いつもは施設内のスペースで実施しているワークショップですが、今回は敷地内にあるグラウンドで、音楽を楽しみながら絵を描く「ライブペインティング」を実施しました!

絵の具と大きな紙、そしてカッパを用意すると…
子どもたちは少しずつ絵の具と筆を手に取り、描きはじめていきます…!

武さんも加わり、子どもたちも楽しそうに描いていると、それを見てまた子どもたちが集まってきました。

そのすぐ近くでは、アーティストの皆さんが演奏で子どもたちのペインティングを盛り上げていきます!

演奏はもちろんのこと、武さんは子どもたちが塗る色の言葉を歌詞にして歌い、即興ソングでペイントを盛り立てます。

絵を描くほかに、楽器に興味をもって集まってくる子どもたちもいて、太鼓や鍋などのオリジナル楽器をたたきながら、ペイントと演奏が色濃く交わっていきました。

最後の最後まで、紙が擦り切れるまで夢中になって描く子どもたち。

最後までやりきり、とても良い顔を見せてくれました。
今回ペイントした紙はしっかりと乾かし、その後のワークショップでも切り貼りしながら使っています。

特に最後まで描いてくれた2人の子どもたちは、最初から最後まで2時間ほど集中して描いており、最後に「できた」と宣言!まわりの大人たちも心からの拍手を送るシーンが印象的でした。

今回も、子どもたちのダイナミックなパワーと創造力に驚かされるワークショップでした!
[ライブペインティングWS写真撮影:金子愛帆]

主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ
こどもの未来応援基金の支援を受け実施しています

R5(2023)年9月より開始している「そだちのシェアステーション・つぼみ(清瀬市)」で、武徹太郎さん(音楽家・美術家)と子どもたちの音楽&美術ワークショップ。

前回のレポートでは、初回ワークショップの様子をご覧いただきました。
>>『うたう、つくる、あそぶ』ワークショップレポート vol.1

2回目以降のワークショップでは、アシスタントにストウミキコさんをお迎えして、音楽はもちろん身体をつかって表現を楽しむワークを実施!

コップに小豆をいれた小さなシェーカー(楽器)にゴムを付け、足に装着すると、どんな動きにもシャカシャカと愉快な音がついてきます…!

自由に足踏みをして鳴らしてみたり、武さんの奏でる楽器の音と足踏みを揃えてみたり、たくさんの動きと音を楽しみました。

次は、床に白い養生テープを貼り… 線を引くだけで、あっという間に今日だけの「道」が完成。

白い線だけを踏みながら、音楽をよく聞いて音が鳴っているあいだだけ動き、音が止まると動きも止めるワークも、自由に動き回る時とは異なり、バランスをとりながら感覚を研ぎ澄ませてチャレンジする様子がみられました。

子どもたちが音を鳴らし、アーティストや職員さんなど大人が動くのも、楽しい時間です。

これまでのワークをさらに発展させた実施回では、「道」もさまざまな形がうまれていき、道の途中にはたくさんの楽器や、楽器となるフライパンやペットボトルなどを散りばめ、太い道には絵を描き、子どもたちのアイディアが詰まった空間のなかで、思い思いの音あそびを楽しみました。

次回のレポートは、屋外で実施したライブペインティングの様子をお届けします。
どうぞお楽しみに!

※3/11追記
ワークショップレポートvol.3もぜひご覧ください!

>>ワークショップレポートvol.3はこちら


主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ
こどもの未来応援基金の支援を受け実施しています

R5(2023)年9月より「そだちのシェアステーション・つぼみ(清瀬市)」で、武徹太郎さん(音楽家・美術家)と子どもたちの音楽&美術ワークショップがスタートしました!

今回の会場「そだちのシェアステーション・つぼみ」は、R4(2022)年4月に開所した清瀬市にある施設です。子どもの放課後の第三の居場所・ショートステイ・子ども食堂の場として利用され、地域の子どもや大人が集まる地域交流スペースを目指しています。

今回のプロジェクトでは、施設の「土曜開放日」にワークショップを実施しています。土曜開放日は普段の施設利用者のほか、近隣小学校の子どもたちや親子など地域に開かれた日となっており、さまざまな子どもたちが集まってきます。

初回のワークショップでは、武徹太郎さんとアシスタントの織田洋介さん・一樂誉志幸さんの生演奏を全身で浴びながら、武さんの音の世界に引き込まれていく子どもたち。

音クイズや楽器クイズなどを楽しみつつ、子どもたちは武さんが演奏している楽器や、身近なペットボトルでできた楽器に興味津々です…!

ワークショップ後半は、実際に子どもたちが楽器に触って音を出し、それぞれの音色やリズムを見つけながら、アーティストの皆さんと子どもたちとのセッションがところどころで繰り広げられていました!

普段見ることのないサンプラーという機材には、あらかじめ様々な楽器の音や動物の鳴き声などが保存されており、番号がついたボタンを押すことでそれぞれの音が出る仕組みになっています。

この機材に夢中になった子どもたちは、自分の好きな音を探したり、友達の音に自分の音を重ねたりしながら音の世界を楽しんでいました。

ワークショップはまだまだ続きます。次回のワークショップレポートをお楽しみに!


※3/11追記
ワークショップレポートvol.2、vol.3もぜひご覧ください!

>>ワークショップレポートvol.2はこちら

>>ワークショップレポートvol.3はこちら

 

主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ
こどもの未来応援基金の支援を受け実施しています

芸術家と子どもたちでは、コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』の支援を受けて、豊島区内のひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち、母子生活支援施設の子どもたちなどとのワークショップを実施しました。

最終日には、2つのチームが交流して、オリジナルの演劇作品の発表会を行いました。

◎実施概要

ひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち×渡辺麻依・酒井直之
参加した子どもたち:年中~中学2年生 22人
アーティスト:渡辺麻依(演出家・俳優)、酒井直之(振付家・ダンサー)
アシスタント・アーティスト:佐藤円(俳優)、ケンノスキー(俳優)、鈴木亜希子(俳優)、豊田ゆり佳(ダンサー)
ワークショップ実施日:➀5/13 ②6/24 ③7/22 ➃7/29 ⑤8/12 ➅9/30
母子生活支援施設の子どもたち×中村大史
参加した子どもたち:小学3年生~中学1年生 5名
アーティスト:中村大史(音楽家)
ワークショップ実施日:➀7/8 ②8/10 ③8/24 ➃9/9 ⑤9/16 ➅9/30

・演劇&ダンスワークショップ

渡辺麻依(マイボ)さん&酒井直之(なおっち)さんは、認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(以下、WAKUWAKU)の協力をえて、ひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたちなどと演劇&ダンスのワークショップを重ねました。

参加した子どもたちの年齢の幅が広かった今回のワークショップ。

暑い時期のワークショップだったということもあってか、海の世界をイメージして、空間をのびのび泳いでみたり、海の生き物を身体で表現しあったり。即興でセリフを考えてオリジナルの物語をつくることにも挑戦しました。

また、劇で使う小道具をつくる工作の時間も取り入れながら進んでいきました。カラフルな軍手に目をつけてイソギンチャクを表現したり、透明フィルムで海の生き物を作って影絵遊びも楽しみました。異年齢の子ども同士で協力したり、アーティストたちに手伝ってもらったりしながら、いろんな海の生き物が完成しました。

・母子生活支援施設でのワークショップ

中村大史(アニー)さんは、愛の家ファミリーホーム(母子生活支援施設) の子どもたちと、音楽のワークショップを行いました。

アイルランド音楽の演奏家でもある中村さん。子どもたちは珍しいアイルランドの楽器に実際に触れてみたり、ブラジルの手遊び歌『ビンバンビリビリ』に挑戦して、リズムにあわせて身体を動かしたりもしました。

「音のしりとり」では、隣の人のハンドベルの音が完全に鳴りやんだタイミングで、自分のハンドベルを鳴らします。毎回のワークショップには、職員さんも一緒に参加して、繊細な音に耳を澄ませる時間も丁寧に共有していきました。

・発表会

最終日には、演劇&ダンスチームと音楽チームの子どもたちが交流し、ひとつの演劇作品を発表しました。

『ふしぎな海の物語』というタイトルで、海の世界に迷い込んだ子どもたちが、海の生き物に出会い、ゴミで汚れた海を綺麗にしていくというオリジナルの物語です。

セリフ、ダンス、音楽、影絵で表現しました。

演劇&ダンスのチームと音楽チームは、初めて交流しましたが、お芝居やダンスに合わせて演奏する場面では、互いの動きをよく見て、音をよく聴いて表現する子どもたちの真剣な姿が印象的でした。

発表会には子どもたちの保護者の方々や、WAKUWAKUの関係者の方々、愛の家ファミリーホームの職員さんなどの子どもたちの支援に関わっている地域の大人たち、このワークショップを支援してくださったコープみらい×中央共同募金会の方も足を運んでくださいました。

劇本編の前には、出演する子どもたちが声をかけながら、お客様にもカラフルなフィルムを切りぬいて海の生き物を作ってもらいました。劇のなかで、その生き物を使って登場してもらう観客参加の時間も設けられ、皆様が楽しく参加してくださいました。

発表後、出演した子どもたちが観客の皆様に感想を聞く時間も設けられました。

「自分なりに表現しているところが上手だった。」「生き生きと、堂々と表現していて成長を感じた。」などの感想を、子どもたちは少し照れながらも嬉しそうな表情で受け止めていました。

子どもたちからは、

「最初はすごくドキドキしたけど、どんどんやっているうちに楽しくなりました。またやりたいです。一番楽しかったことは、音楽に合わせて踊るところが楽しかったです。いい思い出になりました。ありがとうございます。」(小学4年生)

「みんながすごい頑張って、自分も頑張る気になれた。」(小学2年生)

「楽しかった。みんなが協力していてとても良かった。」(中学1年生)

などの感想が届きました。

終了後はアーティストやWAKUWAKUや愛の家ファミリーホーム職員、芸術家と子どもたちスタッフとで大人の振り返りを行いました。

参加した子どもたちの変化、発表でキラキラした表現が見られたことに喜びながら、地域の子どもたちとの表現の場を継続していくためには、「ドアをたたき続ける」地域の大人たちの存在が大切だと改めて認識することができました。

ワークショップをきっかけに新しい地域の友達に出会ったことや、アーティストと一緒にひとつの作品をつくり、お客様から大きな拍手をいただいた経験は、子どもたちにとってもかけがえのないことだったと思います。

サポートしてくださった保護者や地域の皆様、WAKUWAKUや愛の家ファミリーホームの皆様、そして、コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』の寄付者の皆様に、心よりお礼申し上げます。


主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
助成:コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』
協力:認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、社会福祉法人 愛の家 愛の家ファミリーホーム

3/21(火・祝)に「子どものためのアコースティックライブ」が開催されました!

ケルト・アイルランド音楽バンド tricolor(トリコロール)による、1日限りのスペシャルなアコースティックライブ!地域の子どもと大人が集まり、ゆったりと音楽に浸る時間となりました。

今回の会場「そだちのシェアステーション・つぼみ」は、2022年4月に開所した清瀬市にある施設です。子どもの放課後の第三の居場所・ショートステイ・子ども食堂の場として利用され、地域の子どもや大人が集まる地域交流スペースを目指しています。

今回、芸術家と子どもたちでは「そだちのシェアステーション・つぼみ」で、音楽を軸に地域の子どもたちが交流できる機会をつくりたいと考え「子どものためのアコースティックライブ」を開催しました。

開場時間を迎えると、準備を終えた静かな会場にだんだん人が集まってきました。

「そだちのシェアステーション・つぼみ」を普段利用している方、児童養護施設の子どもたち、地域の方々など、様々な方が集まり、いよいよスタートです!!

tricolorの皆さんが、賑やかな演奏とともに登場!

さまざまな音色の楽器とその演奏に、集中している子もいれば、自然とにこやかな笑顔になる子も。

さまざまな楽器で数曲の演奏を終え、ここで楽器クイズ!
「弦が多い楽器はどれかな?」「なんていう名前の楽器かな?」と問いかけます。

知らなくても、目の前にある楽器をよく見てみると答えが分かるかも…
子どもたちも前のめりで楽器をよく見ていました。

さらに、ヒントはパンフレットにも!
当日お配りしたパンフレットは、開くと楽器のイラストが散りばめられています。子どもたちもクイズに答えながら「この楽器かな?」「こっちの楽器の名前はなんだろう?」と興味津々。

楽器紹介のあとの演奏では、パンフレットを片手に、より一層それぞれの楽器に集中する様子がみられました。

演奏中盤、スペシャルゲストとして「そだちのシェアステーション・つぼみ」で働いている職員さんが登場!音楽活動を本格的に行っている方で、是非コラボレーションしましょう!と企画が進みました。

観客の子どもたちのなかには、施設を利用している子どもたちもいます。いつも遊んでくれる職員さんとは違う一面を見た子どもたちはびっくり…!!その様子も微笑ましく、会場全体があたたかい雰囲気に包まれました。

そしてライブはフィナーレへ!!

tricolorさんのヒートアップしたノリノリの音楽に、子どもたちも手拍子をしたり身体を揺らしたりと、それぞれの楽しみ方で会場を盛り上げてくれました。

ライブ終了後は、tricolorさんとの交流タイム。

楽器を近くで見たり触ったりしながら、音楽を身近に感じる機会となりました。

そして最後は、お越しいただいたお客さんに、クッキーなどお菓子をプレゼントしました。

プレゼントしたお菓子は、そだちのシェアステーション・つぼみの近隣の施設「ひだまりの里きよせ」にある「カフェサンハウス」さんにお願いしました。ひとつひとつ手作りのお菓子を今回のためにかわいくラッピングしてご用意くださいました!

かわいく美味しいお菓子に心もほっこり。

参加された皆さんは、開花しはじめた桜に見守られ、音楽の余韻に浸りながら帰っていきました。

写真:金子愛帆
チラシ・パンフレットデザイン:ムラハタワークス
※無断転載・複製を禁ず


<参加者の感想>
・近くできくのは初めての楽器があったので、来てよかったです。
・がっきのおとが いいきもちでした。たのしかったです。
・知らない楽器もあったから、紹介もあって、たくさんの楽器を知れてよかったです。
・最後に楽器を触らせてもらえたことはとてもよかった!
・演奏がとてもすばらしかったです。子どもと一緒に楽しめました。
・ウキウキするリズム、キレイな音でとっても楽しかったです。


『子どものためのアコースティックライブ atそだちのシェアステーション・つぼみ ~音楽でつながる、地域の子どもたち~』
主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
助成:ホテルオークラ東京「The Okura Tokyo Cultural Fund」(企業メセナ協議会 社会創造アーツファンド)
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ

芸術家と子どもたちでは、埼玉県立小児医療センターと連携して、入院中や外来の子どもたちを対象に、オリジナルの動画番組を作成しています。2022年度は、Yahoo!基金「インターネットやIT技術の利活用を通じた市民活動の支援プログラム」の助成を受けて、6本の動画番組を制作しました。

動画はYouTubeの限定公開なのですが、活動の様子をブログでご紹介します。

小児医療センターに入院・通院している子どもたちやご家族の方々は、この数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外部から院内への出入りが制限され、院内でのイベントも減り、以前より楽しい体験の機会が失われたと思います。

そこで、アーティストの新井英夫さん(体奏家・ダンスアーティスト)、板坂記代子さん(ダンサー・美術家)、はしむかいゆうきさん(音楽家)たちと、オリジナルの動画番組を作成。子どもたちが、ダンスや音楽等で楽しく表現活動する機会を創出し、子どもたち本人や、その家族を心理面で支援したいと考えました。

番組は『ちゃっちゃ☆チャンネル』と題して、病院内で制約のある生活をしている子どもたちのリクエストを、番組のキャラクター「ちゃっちゃ」が、病院と外の世界をワープして実現するような内容で構成。例えば「公園に行きたい」など、病院の外の世界と子どもたちの生活をつなぐ役割を果たしながら、ダンスや音楽のコーナーを取り入れて、それぞれの場所から気軽に負担なく楽しめる内容を工夫しました。

ダンスや音楽のコーナーには、病院の様々なスタッフが出演。保育士さんやチャイルド・ライフ・スペシャリストさん、救急車の運転手さんや、作業療法士さん、臨床心理士さんなど、たくさんの方々にご協力いただき、それぞれのお仕事の内容を紹介したり、リクエスト曲で踊っていただいたり、子どもたちに関わる方々のいつもと違った一面や魅力を伝えることができました。また、院内のお菓子屋さん「マーブル」や屋上庭園、併設されている「ドナルド・マクドナルド・ハウス」など、ホッと一息つけるような院内のあたたかい場所を紹介することもできました。

チャイルド・ライフ・スペシャリストのお二人(左上)とダンス!
発達診断室での撮影の様子。12月はクリスマス・スペシャル!

子どもたちとのやり取りには「おたよりカード」を配布し、院内各所にポストを設置してもらいました。おたよりカードには、毎回クイズやだじゃれコーナー、「好きな食べ物」「好きな動物」などのQ&Aをつくり、その答えを番組内で紹介しました。こうしたやり取りを通して、「この病院にはこんな楽しいこともある」と特別感と安心感のあるコンテンツを提供できたのではないかと思います。

これからも、一度限りではなく番組を蓄積していくことで、新しく入院してくる子や、外来に移行した子たちに、継続的に関わっていきたいと思います。

毎回の撮影の度に、出演者や撮影場所の調整をしたり、公開時には院内にポスター掲示をして周知してくださったりと、病院と私たちをつないでくださったボランティア・コーディネーターの冨澤さん。そして、院内で出会った皆様が、いつもとてもあたたかく、子どもたちのために日々力を尽くされていることを実感し、快く撮影にご協力いただいたことにも、改めて心よりお礼申し上げます。