R5(2023)年9月より開始している「そだちのシェアステーション・つぼみ(清瀬市)」で、武徹太郎さん(音楽家・美術家)と子どもたちの音楽&美術ワークショップ。

前回のレポートでは、初回ワークショップの様子をご覧いただきました。
>>『うたう、つくる、あそぶ』ワークショップレポート vol.1

2回目以降のワークショップでは、アシスタントにストウミキコさんをお迎えして、音楽はもちろん身体をつかって表現を楽しむワークを実施!

コップに小豆をいれた小さなシェーカー(楽器)にゴムを付け、足に装着すると、どんな動きにもシャカシャカと愉快な音がついてきます…!

自由に足踏みをして鳴らしてみたり、武さんの奏でる楽器の音と足踏みを揃えてみたり、たくさんの動きと音を楽しみました。

次は、床に白い養生テープを貼り… 線を引くだけで、あっという間に今日だけの「道」が完成。

白い線だけを踏みながら、音楽をよく聞いて音が鳴っているあいだだけ動き、音が止まると動きも止めるワークも、自由に動き回る時とは異なり、バランスをとりながら感覚を研ぎ澄ませてチャレンジする様子がみられました。

子どもたちが音を鳴らし、アーティストや職員さんなど大人が動くのも、楽しい時間です。

これまでのワークをさらに発展させた実施回では、「道」もさまざまな形がうまれていき、道の途中にはたくさんの楽器や、楽器となるフライパンやペットボトルなどを散りばめ、太い道には絵を描き、子どもたちのアイディアが詰まった空間のなかで、思い思いの音あそびを楽しみました。

次回のレポートは、屋外で実施したライブペインティングの様子をお届けします。
どうぞお楽しみに!

※3/11追記
ワークショップレポートvol.3もぜひご覧ください!

>>ワークショップレポートvol.3はこちら


主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ
こどもの未来応援基金の支援を受け実施しています

R5(2023)年9月より「そだちのシェアステーション・つぼみ(清瀬市)」で、武徹太郎さん(音楽家・美術家)と子どもたちの音楽&美術ワークショップがスタートしました!

今回の会場「そだちのシェアステーション・つぼみ」は、R4(2022)年4月に開所した清瀬市にある施設です。子どもの放課後の第三の居場所・ショートステイ・子ども食堂の場として利用され、地域の子どもや大人が集まる地域交流スペースを目指しています。

今回のプロジェクトでは、施設の「土曜開放日」にワークショップを実施しています。土曜開放日は普段の施設利用者のほか、近隣小学校の子どもたちや親子など地域に開かれた日となっており、さまざまな子どもたちが集まってきます。

初回のワークショップでは、武徹太郎さんとアシスタントの織田洋介さん・一樂誉志幸さんの生演奏を全身で浴びながら、武さんの音の世界に引き込まれていく子どもたち。

音クイズや楽器クイズなどを楽しみつつ、子どもたちは武さんが演奏している楽器や、身近なペットボトルでできた楽器に興味津々です…!

ワークショップ後半は、実際に子どもたちが楽器に触って音を出し、それぞれの音色やリズムを見つけながら、アーティストの皆さんと子どもたちとのセッションがところどころで繰り広げられていました!

普段見ることのないサンプラーという機材には、あらかじめ様々な楽器の音や動物の鳴き声などが保存されており、番号がついたボタンを押すことでそれぞれの音が出る仕組みになっています。

この機材に夢中になった子どもたちは、自分の好きな音を探したり、友達の音に自分の音を重ねたりしながら音の世界を楽しんでいました。

ワークショップはまだまだ続きます。次回のワークショップレポートをお楽しみに!


※3/11追記
ワークショップレポートvol.2、vol.3もぜひご覧ください!

>>ワークショップレポートvol.2はこちら

>>ワークショップレポートvol.3はこちら

 

主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ
こどもの未来応援基金の支援を受け実施しています

都内公立小学校子どもたちと取り組んだ楠原竜也さん(演出振付家・ダンサー・ファシリテーター・ダンス研究者)とのワークショップをご紹介します。特別支援学級1~6年生の子どもたち20名と、全3回のワークショップ。今回は、その2回目の様子を写真とともにお届けします。

楠原さん(たっちゃん)はじめ、アシスタントの皆さんと子どもたちが挨拶をした後、この回から加わった、ドラマー・有吉拓さんの演奏を聴きくところからワークショップがスタート。身体に響く大迫力の演奏に圧倒されながら、早く動きたくてたまらない子どもたち…!

さぁ早速ドラムのリズムにのって、身体を動かしてみよう!円になって、たっちゃんの動きを真似しながら、前回よりもパワフルに踊りまわる子どもたちの様子が印象的でした。
続いてペアになり、一人が全身を使ってトンネルをつくり、もう一人がくぐっていく「トンネルのワーク」。先生も加わりながら、色んなトンネル、色んなくぐり方を楽しみます。

先生やアシスタントなど、大人がつくった様々なトンネルを、子どもたちが一斉にくぐっていくトンネルツアー!すごいスピードでくぐっていく子どもたちと、一生懸命トンネルをキープする大人たち…!

続いて、ペアで目と目を合わせたまま自由に身体を動かす「アイコンタクト・ダンス」を実施。前回以上に、色んな動きを試したりして楽しんでいる子どもたちの姿がありました。
3グループに分かれて、友達の動きを見る時間もつくることで、友達がやっていたことを真似してみたり、また違う動きに挑戦してみたりなど、子どもたちの動きの幅もぐんぐん広がっていきます。

最後は、体育館ぜーんぶを使って全員でやってみよう!たっちゃんの掛け声に合わせて、次々とペアを変えながら、目が合った人とのアイコンタクト・ダンスを楽しみました。途切れなく鳴り響くドラムのリズムに呼応するように、子どもたちの動きも迫力や広がりを増していきます。
終わりの合図が出ると、全部出し切ったような達成感溢れる表情の子どもたち。みんなのエネルギーやパワーが、余韻となって体育館いっぱいに満ちていました。

終わりの挨拶の時、子どもたちからは「楽しかった!気分がよかった!」、「みんなの動きが迫力があってよかった」などなど、素敵な感想をもらいました。また次回会えることを楽しみにしながら、今回のワークショップを終えました。
身体を通して、色んな友達と向き合い、息を合わせて動いた90分。表現することの楽しさや気持ち良さを身体いっぱいに感じている子どもたちのダンスを、いつまでも見ていたくなるワークショップでした♪

芸術家と子どもたちでは、コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』の支援を受けて、豊島区内のひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち、母子生活支援施設の子どもたちなどとのワークショップを実施しました。

最終日には、2つのチームが交流して、オリジナルの演劇作品の発表会を行いました。

◎実施概要

ひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち×渡辺麻依・酒井直之
参加した子どもたち:年中~中学2年生 22人
アーティスト:渡辺麻依(演出家・俳優)、酒井直之(振付家・ダンサー)
アシスタント・アーティスト:佐藤円(俳優)、ケンノスキー(俳優)、鈴木亜希子(俳優)、豊田ゆり佳(ダンサー)
ワークショップ実施日:➀5/13 ②6/24 ③7/22 ➃7/29 ⑤8/12 ➅9/30
母子生活支援施設の子どもたち×中村大史
参加した子どもたち:小学3年生~中学1年生 5名
アーティスト:中村大史(音楽家)
ワークショップ実施日:➀7/8 ②8/10 ③8/24 ➃9/9 ⑤9/16 ➅9/30

・演劇&ダンスワークショップ

渡辺麻依(マイボ)さん&酒井直之(なおっち)さんは、認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(以下、WAKUWAKU)の協力をえて、ひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたちなどと演劇&ダンスのワークショップを重ねました。

参加した子どもたちの年齢の幅が広かった今回のワークショップ。

暑い時期のワークショップだったということもあってか、海の世界をイメージして、空間をのびのび泳いでみたり、海の生き物を身体で表現しあったり。即興でセリフを考えてオリジナルの物語をつくることにも挑戦しました。

また、劇で使う小道具をつくる工作の時間も取り入れながら進んでいきました。カラフルな軍手に目をつけてイソギンチャクを表現したり、透明フィルムで海の生き物を作って影絵遊びも楽しみました。異年齢の子ども同士で協力したり、アーティストたちに手伝ってもらったりしながら、いろんな海の生き物が完成しました。

・母子生活支援施設でのワークショップ

中村大史(アニー)さんは、愛の家ファミリーホーム(母子生活支援施設) の子どもたちと、音楽のワークショップを行いました。

アイルランド音楽の演奏家でもある中村さん。子どもたちは珍しいアイルランドの楽器に実際に触れてみたり、ブラジルの手遊び歌『ビンバンビリビリ』に挑戦して、リズムにあわせて身体を動かしたりもしました。

「音のしりとり」では、隣の人のハンドベルの音が完全に鳴りやんだタイミングで、自分のハンドベルを鳴らします。毎回のワークショップには、職員さんも一緒に参加して、繊細な音に耳を澄ませる時間も丁寧に共有していきました。

・発表会

最終日には、演劇&ダンスチームと音楽チームの子どもたちが交流し、ひとつの演劇作品を発表しました。

『ふしぎな海の物語』というタイトルで、海の世界に迷い込んだ子どもたちが、海の生き物に出会い、ゴミで汚れた海を綺麗にしていくというオリジナルの物語です。

セリフ、ダンス、音楽、影絵で表現しました。

演劇&ダンスのチームと音楽チームは、初めて交流しましたが、お芝居やダンスに合わせて演奏する場面では、互いの動きをよく見て、音をよく聴いて表現する子どもたちの真剣な姿が印象的でした。

発表会には子どもたちの保護者の方々や、WAKUWAKUの関係者の方々、愛の家ファミリーホームの職員さんなどの子どもたちの支援に関わっている地域の大人たち、このワークショップを支援してくださったコープみらい×中央共同募金会の方も足を運んでくださいました。

劇本編の前には、出演する子どもたちが声をかけながら、お客様にもカラフルなフィルムを切りぬいて海の生き物を作ってもらいました。劇のなかで、その生き物を使って登場してもらう観客参加の時間も設けられ、皆様が楽しく参加してくださいました。

発表後、出演した子どもたちが観客の皆様に感想を聞く時間も設けられました。

「自分なりに表現しているところが上手だった。」「生き生きと、堂々と表現していて成長を感じた。」などの感想を、子どもたちは少し照れながらも嬉しそうな表情で受け止めていました。

子どもたちからは、

「最初はすごくドキドキしたけど、どんどんやっているうちに楽しくなりました。またやりたいです。一番楽しかったことは、音楽に合わせて踊るところが楽しかったです。いい思い出になりました。ありがとうございます。」(小学4年生)

「みんながすごい頑張って、自分も頑張る気になれた。」(小学2年生)

「楽しかった。みんなが協力していてとても良かった。」(中学1年生)

などの感想が届きました。

終了後はアーティストやWAKUWAKUや愛の家ファミリーホーム職員、芸術家と子どもたちスタッフとで大人の振り返りを行いました。

参加した子どもたちの変化、発表でキラキラした表現が見られたことに喜びながら、地域の子どもたちとの表現の場を継続していくためには、「ドアをたたき続ける」地域の大人たちの存在が大切だと改めて認識することができました。

ワークショップをきっかけに新しい地域の友達に出会ったことや、アーティストと一緒にひとつの作品をつくり、お客様から大きな拍手をいただいた経験は、子どもたちにとってもかけがえのないことだったと思います。

サポートしてくださった保護者や地域の皆様、WAKUWAKUや愛の家ファミリーホームの皆様、そして、コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』の寄付者の皆様に、心よりお礼申し上げます。


主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
助成:コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』
協力:認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、社会福祉法人 愛の家 愛の家ファミリーホーム

都内公立保育園の子どもたちと取り組んだ関根真理さん(パーカッショニスト)とのワークショップをご紹介します。今回5歳児クラスの子どもたちと、60分の音楽ワークショップを行いました。

保育園のホールに子どもたちが入ってくると、たくさんの太鼓を発見!! 大きかったり小さかったり、細長かったり丸っこかったりといろいろな形をしています。子どもたちは興味津々、早く太鼓を触れてみたくて仕方がありません。

するとホールの外から太鼓の音が聴こえてきてきます。関根真理さん(まりちょふ)と西川郷子さん(うっしー)が太鼓を奏でて自己紹介の歌をうたいながら登場してきました!! 突然の登場に子どもたちはびっくりしつつ、太鼓のリズムにあわせて自然が身体を揺れていき、表情もほころんでいきました。

そして、待望の太鼓の演奏にチャレンジ!まりちょふに太鼓の叩き方のコツを伝授してもらった後、声を出しながら力いっぱい太鼓を叩いたり、まりちょふの指揮にあわせて音の強弱やスピードを変えて演奏したり、太鼓を順番に叩きながら音の波をつくってみたりしました。

また、まりちょふの「せーの、ポン!」の掛け声にあわせて、みんなで一緒に太鼓をひとつ叩いて演奏を終えることに挑戦したところ、見事一回で大成功。子どもたちはこの掛け声が気に入って、今度は子どもたちから「せーの、ポン!」の声掛けがスタート。掛け声は子どもたちの大合唱になって、大盛り上がりとなりました。

太鼓の演奏に慣れてきたところで、今度はリズムにあわせて太鼓を叩いてみます。子どもたちから「好きな食べ物」を聞いて、「バ・ナ・ナ」「う~・どん」のように声に出しながら言葉のリズムにあわせて太鼓を叩くと、みんなの音が重なり合って自然とひとつになっていきました。

そして、まりちょふを先頭にみんなでリズムの大行進がスタート!! 子どもたちは思い思いのリズムを奏でながら、カーニバルの如くホールの中をみんなで練り歩きました。すると子どもたちの演奏にあわせて先生方がダンスを披露してくださり、カーニバルに花を添えてくれました。

大盛り上がりの大行進のあとは、絵本の読み聞かせの時間のはじまりはじまり。お話にあわせて、風の音や主人公が穴から転げ落ちる様子など、絵本の中から聞こえてくる音を、まりちょふがいろいろな楽器を使って奏でてくれました。

そして、最後は子どもたちの自由時間。まりちょふが持ってきてくれたたくさんの楽器に触れながら、いろいろな音を思い思いに楽しみました。

気が付けば60分間のワークショップも終了時間に。「楽しかった!」「また明日も遊びに来てね!!」 子どもたちは元気いっぱいに、まりちょふとうっしーにたくさんの感想を伝えてくれました。

朝早くから楽器の搬入出や準備にご協力くださり、子どもたちと一緒になって楽器を奏でてワークショップに参加してくださった先生方、本当にありがとうございました!! この場を借りて改めてお礼申し上げます。

芸術家と子どもたちでは、2021年度からの3年間、BNPパリバ財団の芸術教育支援プログラム「Dream Up」の支援を受けて、児童養護施設と障害児入所施設でのワークショップを実施しています。「Dream Up」は、芸術教育を通じて世界の子どもたちを支援する社会貢献活動で、社会的に不利な状況にある子どもたちに、才能開花の機会を提供するために、世界30か国で展開されています。

今回のブログでは、2年目となる2022年度の活動をご紹介します。(プロジェクトの概要や2021年度の記事はこちら

◎2022年度実施概要

児童養護施設×棚川寛子        
参加した子どもたち 2施設(交流)小学1年~高校2年生、施設退所者 18人
アーティスト 棚川寛子(舞台音楽家)
アシスタント・アーティスト 井上貴子(俳優)、加藤幸夫(俳優)、黒木佳奈(俳優)、佐藤円(俳優)
ワークショップ実施日 ➀9/25 ②10/16 ③11/13 ➃12/17 ⑤1/29 ➅2/19 ⑦3/25 ⑧3/26
障害児入所施設×新井英夫       
参加した子どもたち 小学4年生~高校3年生 11名
アーティスト 新井英夫(体奏家・ダンスアーティスト)
アシスタント・アーティスト 板坂記代子(ダンサー)、はしむかいゆうき(演奏家)
ワークショップ実施日 ➀11/12 ②1/9 ③2/5 ➃3/5 ⑤3/18       

・児童養護施設での2施設交流ワークショップ

舞台音楽家・棚川寛子さんたちと、2つの児童養護施設の子どもたちが交流するワークショップを実施しました。

2022年度のテーマは『生物多様性』。2回目のワークショップで、BNPパリバの社員の方にレクチャーをしていただき、そこから子どもたちがどんなことをしたいか、どうやって生物多様性を表現できるかを考えました。そして、ある子の「みんなで木をつくり、そこにそれぞれが考えた『いなくなったら困る生き物』を展示したら良いんじゃない?」という提案から創作が始まりました。クジラ、レッサーパンダ、ウサギ、イヌワシ、蝶など、一人ひとりがどの生き物を担当するかを決めて、まずは工作に取り組みました。友だちと協力したり、職員さんやアーティストたちに手伝ってもらったりしながら、いろんな動物が完成しました。

発表では、つくった生き物を影絵のクイズにして、観客参加型のコーナーを設けました。そして、その動物について調べたことを発表していきました。最後には、「子どもがいなくなったら意味がない!」ということで、子どもたちが子ども役でダンスを踊りました。

また、影絵のパフォーマンス中には、キーボードやカホンなど楽器の演奏や、照明の操作にも子どもたちが加わり、発表会をあたたかく盛り上げました。

 

・障害児入所施設でのワークショップ

体奏家・ダンスアーティストの新井英夫さんたちと、zoomを使ったオンラインでのワークショップを重ねました。

子どもたちの特性に合わせて、3グループに分けて実施。少人数のグループにすることで、個々の興味・関心に寄り添いながら、身体や音を使った表現を引き出していきました。ワークショップの始まりは、タイコの音で今日の気分を伝え合いました。思いっきり叩いて大きな音を出す子もいれば、最初は恥ずかしそうにそっと叩く子など、日によっていろんな音の挨拶をしました。そして、誰かと一緒に手をつないで「なべなべ底抜け」をしたり、ペアになって身体の一部をくっつけるポーズを考えたり、職員さんも一緒になって身体を動かして、人と人との関わりを楽しむ時間を積み重ねました。

また、工作や物語が好きな子とは、洗濯ばさみや毛糸、紙皿など身近なモノや、カラー粘土を使ったコマ撮りアニメの制作に挑戦しました。カラフルな洗濯ばさみを思いつくままに動かして虹のような形をつくったり、折り紙や毛糸を組み合わせて少しずつ動かし、カレーライスのつくり方を表現する様子に、職員さんもアーティストも感心していました。

 

衣装は、Dream UpのTシャツを、カラフルな端切れを使って加工してオリジナルの衣装にしました。当日は、BNPパリバの社員の方も一緒に参加して、子どもたちのリクエストに応えて一緒に素敵な作品をつくってくださいました。仮面ライダー好きの子は、緑系の色の端切れを集めて貼るのを手伝ってもらい、残念ながらお休みしてしまった子のTシャツは、お姫様が好きということで、社員の方が代わりにつくってくれました。

最後の日は、衣装のTシャツを着て、グループごとにファッションショーのランウェイを歩くつもりで踊る様子を記録して、後日施設内で鑑賞してもらえるようにしました。自分が好きな曲や、音楽の雰囲気をアーティストにリクエストして即興で演奏してもらい、最後は思い思いにポーズ!満足そうな表情が印象的でした。

今年度もBNPパリバ社員の方には何度もワークショップに足を運んでいただき、発表をご覧になった後には子どもたちに感想を伝えてもらうなど、あたたかく活動を支えていただきました。レクチャーを聞いたり、工作を手伝ってもらったり、新しい人との出会いや関わりがあることは、子どもたちにとっても嬉しい時間になったことと思います。2022年度もコロナ対策の影響などがあり、発表の日に現地に多くの社員の方をお招きすることはできませんでしたが、一緒に事業を見守ってくださったこと、改めて心よりお礼申し上げます。

★コマ撮りした画像に音楽を付けて動画にしました!

(アニメーション作成:高校生I君/編集・音楽:はしむかいゆうき/ナビゲーター:新井英夫、板坂記代子)

 

さわやかな五月晴れの5月27日(土)、都内小学校の運動会にて今年度のパフォーマンスキッズ・トーキョー、最初の成果発表が行われました。


白い時計台が印象的な素敵な小学校に、ダンサーで振付家の鈴木春香さんと、アシスタントの遠井公輝さん(ダンサー)、石川朝日さん(俳優)と計9日間通い、59名の子供たちと、担任の先生たちと一緒にダンスパフォーマンスをつくりました。

小学校生活最初の一年間で大きく成長し、2年生になった子供たち。
その一回りたくましくなった姿を、運動会でのダンス発表で披露したいという先生方の思いを受けて、今回のワークショップはスタート。「ちゃんとお話が聴けるかな」「ダンスの振りが覚えられるかな」「友達と相談してダンスを考えることができるかな」と、最初は少し心配そうにされていた先生たちでしたが・・・・・

心配ご無用!!

初日から、鈴木春香さんのリードで思いっきり身体を動かし、
5人1組のグループワークでは、「身体全体を使った、オリジナルのグー・チョキ・パー」を相談して考えることが出来ました。

2日目には、ダンスの振付を覚えて踊ったり、フォーメーションを覚えて全体で動いたり。

校庭という広い空間で、全体のフォーメーションを把握した上で自分の立ち位置をつかんで動くのは、大人でもなかなか難しいことです。
まして、身体の小さい2年生のみんなにとっては、大変なチャレンジだったことでしょう。

そして衣装も自分たちで!!!


先生が切ってくれた色々な色のスズランテープを一本一本ゴムに縛って作りました。
カラフルな「なまはげ」みたいな衣装が、不思議な生き物たちをイメージさせてくれて、とっても可愛かった!!!

大好きな担任の先生たちの動きの真似をするのがとっても嬉しそうで楽しそうな子供たち!!!!!

人と関わる喜び、身体を動かす喜び、表現する喜び、チャレンジする喜び、
沢山の喜びではち切れそうな笑顔とカラダが本当に素敵な子供たちとの9日間でした!!!!

3/21(火・祝)に「子どものためのアコースティックライブ」が開催されました!

ケルト・アイルランド音楽バンド tricolor(トリコロール)による、1日限りのスペシャルなアコースティックライブ!地域の子どもと大人が集まり、ゆったりと音楽に浸る時間となりました。

今回の会場「そだちのシェアステーション・つぼみ」は、2022年4月に開所した清瀬市にある施設です。子どもの放課後の第三の居場所・ショートステイ・子ども食堂の場として利用され、地域の子どもや大人が集まる地域交流スペースを目指しています。

今回、芸術家と子どもたちでは「そだちのシェアステーション・つぼみ」で、音楽を軸に地域の子どもたちが交流できる機会をつくりたいと考え「子どものためのアコースティックライブ」を開催しました。

開場時間を迎えると、準備を終えた静かな会場にだんだん人が集まってきました。

「そだちのシェアステーション・つぼみ」を普段利用している方、児童養護施設の子どもたち、地域の方々など、様々な方が集まり、いよいよスタートです!!

tricolorの皆さんが、賑やかな演奏とともに登場!

さまざまな音色の楽器とその演奏に、集中している子もいれば、自然とにこやかな笑顔になる子も。

さまざまな楽器で数曲の演奏を終え、ここで楽器クイズ!
「弦が多い楽器はどれかな?」「なんていう名前の楽器かな?」と問いかけます。

知らなくても、目の前にある楽器をよく見てみると答えが分かるかも…
子どもたちも前のめりで楽器をよく見ていました。

さらに、ヒントはパンフレットにも!
当日お配りしたパンフレットは、開くと楽器のイラストが散りばめられています。子どもたちもクイズに答えながら「この楽器かな?」「こっちの楽器の名前はなんだろう?」と興味津々。

楽器紹介のあとの演奏では、パンフレットを片手に、より一層それぞれの楽器に集中する様子がみられました。

演奏中盤、スペシャルゲストとして「そだちのシェアステーション・つぼみ」で働いている職員さんが登場!音楽活動を本格的に行っている方で、是非コラボレーションしましょう!と企画が進みました。

観客の子どもたちのなかには、施設を利用している子どもたちもいます。いつも遊んでくれる職員さんとは違う一面を見た子どもたちはびっくり…!!その様子も微笑ましく、会場全体があたたかい雰囲気に包まれました。

そしてライブはフィナーレへ!!

tricolorさんのヒートアップしたノリノリの音楽に、子どもたちも手拍子をしたり身体を揺らしたりと、それぞれの楽しみ方で会場を盛り上げてくれました。

ライブ終了後は、tricolorさんとの交流タイム。

楽器を近くで見たり触ったりしながら、音楽を身近に感じる機会となりました。

そして最後は、お越しいただいたお客さんに、クッキーなどお菓子をプレゼントしました。

プレゼントしたお菓子は、そだちのシェアステーション・つぼみの近隣の施設「ひだまりの里きよせ」にある「カフェサンハウス」さんにお願いしました。ひとつひとつ手作りのお菓子を今回のためにかわいくラッピングしてご用意くださいました!

かわいく美味しいお菓子に心もほっこり。

参加された皆さんは、開花しはじめた桜に見守られ、音楽の余韻に浸りながら帰っていきました。

写真:金子愛帆
チラシ・パンフレットデザイン:ムラハタワークス
※無断転載・複製を禁ず


<参加者の感想>
・近くできくのは初めての楽器があったので、来てよかったです。
・がっきのおとが いいきもちでした。たのしかったです。
・知らない楽器もあったから、紹介もあって、たくさんの楽器を知れてよかったです。
・最後に楽器を触らせてもらえたことはとてもよかった!
・演奏がとてもすばらしかったです。子どもと一緒に楽しめました。
・ウキウキするリズム、キレイな音でとっても楽しかったです。


『子どものためのアコースティックライブ atそだちのシェアステーション・つぼみ ~音楽でつながる、地域の子どもたち~』
主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
助成:ホテルオークラ東京「The Okura Tokyo Cultural Fund」(企業メセナ協議会 社会創造アーツファンド)
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ

墨田区立の小学校・特別支援学級、1~6年生の子どもたち20人と取り組んだ、井田亜彩実さん(振付家・ダンサー)とのワークショップをご紹介します。アシスタントは荒俣夏実さん(ダンサー)で、2日間の実施でした。

この学級の先生方は、これまでの子どもたちの経験では振付を覚えるなど与えられた動きをすることが多かったので、今回は子どもたちが自分で考えて、自分のオリジナルのダンスを見つけたり、自分の良さに気づいたりして欲しい、という想いを持ってワークショップを申し込んでくださいました。

そして、事前下見の授業見学では、宿泊学習に向けて取り組んでいたダンスを見せてもらったり、国語で数え歌を歌う姿や、集中してカラフルなスウェーデン刺繍に取り組む姿を見せてもらい、身体を動かしたり楽しいことが好きそうな子どもたちの雰囲気に、ワークショップでもいろんなことに挑戦できそう、と感じて臨んだ2日間でした。

1日目は、アーティストの動きを真似したり、言葉のイメージから動きを引き出したり、いろんな動きを体験する回となりました。

最初はみんなで円になってウォーミングアップからスタート。井田さんのテンポの良い明るい声かけに、みんなあっという間に心も身体もほぐれていくようでした。そして、体育館に元からあるラインの上を、いろいろな歩き方で歩くワークや、体育館をジャンルグルに見立てて、ライオンやワニ、ワシなどの動物になって探検するワーク、「寒い」「暑い」など言葉のイメージから動きを考えるワークにも取り組みました。

後半は、『忍者』をテーマに動きを考えてみました。忍者がどんな動きをするのか、子どもたちにアイデアを出してもらい、それを実際にみんなでやってみると、「隠れる」の時にはㇲっと井田さんの後ろに隠れる子がいたり、「寝る」の時には忍者だから寝転ばずに座ったまま寝る子がいたり、一人ひとりがいろんな表現を見せてくれました。最後には、井田さんが考えてくれた振付を、子どもたちにも馴染みのある曲で元気に踊って1日目を終えました。

2日目には、1日目に子どもたちがいろんなアイデアを持っていることが分かったので、動きをつくることを中心に取り組みました。最初は、1日目と同じようにみんなで円になって、ストレッチや、二人組で身体の一部をタッチして挨拶など、楽しみながら身体をほぐしていきました。

一人がつくったポーズをもう一人がくぐるワークでは、ポーズもくぐり方も人それぞれで、面白い動きがたくさん生まれました。そして、1日目より少し細かな動きを多くして難しくした振付のダンスで全身を動かした後、後半には子どもたちに動きをつくってもらうことに挑戦しました。

2つのグループに分かれて、それぞれ『お正月』と『運動会』をテーマに動きを考えました。『お正月』チームは、「お年玉・お餅つき・だるま」など、『運動会』チームは「選手宣誓・リレー・玉入れ」などのアイデアが出てきました。そこから、一つひとつ身体で表現するとどうなるかを考えながら動いてみて、最後にはお互いのつくった動きを見せ合いました。どちらのチームもたくさんのアイデアが詰まった大作になり、お互いに拍手を送り合って2日間のワークショップを終えました。

ワークショップ後の先生との振返りでは、「自分の中にあるものを表現する今までにない貴重な機会だった」「普段は身体を動かすことに抵抗を感じる子も楽しく取り組んでいた」といった感想を伺いました。先生方もワークショップの間ずっと一緒に身体を動かして参加してくださり、普段の授業でも取り入れていきたいと仰っていたので、これからも子どもたちが身体を使って表現することを楽しみ、この学級でいろんなダンスが生まれていくのだろうなあ、と思える、とても楽しい2日間になりました。


このワークショップは、花王ハートポケット倶楽部/花王株式会社の協賛をいただいて実施しました。

芸術家と子どもたちでは、埼玉県立小児医療センターと連携して、入院中や外来の子どもたちを対象に、オリジナルの動画番組を作成しています。2022年度は、Yahoo!基金「インターネットやIT技術の利活用を通じた市民活動の支援プログラム」の助成を受けて、6本の動画番組を制作しました。

動画はYouTubeの限定公開なのですが、活動の様子をブログでご紹介します。

小児医療センターに入院・通院している子どもたちやご家族の方々は、この数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外部から院内への出入りが制限され、院内でのイベントも減り、以前より楽しい体験の機会が失われたと思います。

そこで、アーティストの新井英夫さん(体奏家・ダンスアーティスト)、板坂記代子さん(ダンサー・美術家)、はしむかいゆうきさん(音楽家)たちと、オリジナルの動画番組を作成。子どもたちが、ダンスや音楽等で楽しく表現活動する機会を創出し、子どもたち本人や、その家族を心理面で支援したいと考えました。

番組は『ちゃっちゃ☆チャンネル』と題して、病院内で制約のある生活をしている子どもたちのリクエストを、番組のキャラクター「ちゃっちゃ」が、病院と外の世界をワープして実現するような内容で構成。例えば「公園に行きたい」など、病院の外の世界と子どもたちの生活をつなぐ役割を果たしながら、ダンスや音楽のコーナーを取り入れて、それぞれの場所から気軽に負担なく楽しめる内容を工夫しました。

ダンスや音楽のコーナーには、病院の様々なスタッフが出演。保育士さんやチャイルド・ライフ・スペシャリストさん、救急車の運転手さんや、作業療法士さん、臨床心理士さんなど、たくさんの方々にご協力いただき、それぞれのお仕事の内容を紹介したり、リクエスト曲で踊っていただいたり、子どもたちに関わる方々のいつもと違った一面や魅力を伝えることができました。また、院内のお菓子屋さん「マーブル」や屋上庭園、併設されている「ドナルド・マクドナルド・ハウス」など、ホッと一息つけるような院内のあたたかい場所を紹介することもできました。

チャイルド・ライフ・スペシャリストのお二人(左上)とダンス!
発達診断室での撮影の様子。12月はクリスマス・スペシャル!

子どもたちとのやり取りには「おたよりカード」を配布し、院内各所にポストを設置してもらいました。おたよりカードには、毎回クイズやだじゃれコーナー、「好きな食べ物」「好きな動物」などのQ&Aをつくり、その答えを番組内で紹介しました。こうしたやり取りを通して、「この病院にはこんな楽しいこともある」と特別感と安心感のあるコンテンツを提供できたのではないかと思います。

これからも、一度限りではなく番組を蓄積していくことで、新しく入院してくる子や、外来に移行した子たちに、継続的に関わっていきたいと思います。

毎回の撮影の度に、出演者や撮影場所の調整をしたり、公開時には院内にポスター掲示をして周知してくださったりと、病院と私たちをつないでくださったボランティア・コーディネーターの冨澤さん。そして、院内で出会った皆様が、いつもとてもあたたかく、子どもたちのために日々力を尽くされていることを実感し、快く撮影にご協力いただいたことにも、改めて心よりお礼申し上げます。