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雨上がりのぬけるような青空の下、去る5月12日「畑@校庭まるごと体感デー」が開催されました。
このイベントは、当初はグリグリの収穫祭として開催していたのですが、2010年にアースデイマーケットとの出会ったことをきっかけにして、グリグリのメンバーが企画したいくつかのプログラムと、オーガニックの食材を提供するマーケット、親子向けの音楽ライブ、カモ・カフェのオープン・カフェなどのコラボレーションによるイベントとして発展しました。今ではにしすがも創造舎の恒例イベントとなり、毎年たくさんのお客さんでにぎわっています。今年は、外で過ごすのにちょうどいいシーズンの開催というポイントを活かして、これまでよりも体験型のプログラムを増やし、母の日を意識したコンテンツ―ギフト用を想定したシフォンケーキ、スパイス、ギフトグッズなどの販売、お母さんに贈る花かんむりづくり―を盛り込むなど、小さな工夫もしてみました。
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イベントのコンセプトは、日頃校庭の畑で活動しているグリグリの畑づくりの楽しさをお客さんにも“体感”してもらうことなので、グリグリのメンバーは、いつもの活動でやっていることの延長線で、どんなふうにお客さんに楽しんでもらおうか考えて準備をしてきました。その甲斐あって、どのプログラムも大盛況。手づくりのハーブドリンクやフォカッチャを販売していたハーブBarでは、ドリンクが特に人気が高く、飛ぶように売れていきました。また、毎年会場をにぎわす“子どもによる、子どものための”キッズゲームは、いつも通り子どもたちの自由な発想で企画・運営し、子どもによる宣伝が絶大な効果を発揮して大勢の子どもたちをとりこにしていました。どこまで自由なようでいて、母の日のためのお花をつくる工作コーナーも開くなど、優しさもキラリ。逞しいだけでなく、優しく育っているグリグリキッズに、やるなぁ!と思ったメンバー少なくなかったはずです。
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この日の来場者は700人と過去最高。赤ちゃんや未就学児童を連れた家族が目立つ一方で、いつもお世話になっているご近所のおばあちゃんたちや、元グリグリメンバーのおばあちゃんも、何年かぶりで遊びにきてくれたりしました。にしすがも創造舎では、体育館を利用した演劇公演をたびたび開催していますが、これだけ幅広い世代の人たちを対象にしたイベントは他になく、「畑@校庭まるごと体感デー」がきっかけとなってご近所さん同士が出会う場になったり、再び母校の校庭でくつろいだり、焼きそばを売ったりできる機会として地元の方たちに親しまれていく様子は、地域とのつながりを大切にしてきたことへの、ほんの少しのご褒美のように思えました。
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来年もまた5月頃開催の予定です。今回来て下さった方たちも、来れなかった方たちも、ぜひ遊びにいらしてください。

「畑@校庭まるごと体感デー」の全体レポートに続き、プログラムの一つとして開催した「ぷちライブ!」の様子をお届けします。子どもから大人まで楽しめることをモットーに始めた「ぷちライブ!」も今回で11回目を迎えました。
今回のアーティストは、ROCO(ロコ)さん。のびやかな歌声をジャジーなメロディーに乗せて、誰もが聞き馴染んだ童謡が、さらに素敵な曲に大変身。午前は小さなお子さんとご家族向けのほんわかゆったり室内ライブ、午後は校庭の芝広場でどなたでも自由にのびのび楽しめる屋外ライブと、2ステージ行いました。
○午前は親子・家族向けの室内ライブ
午前は、別棟にある元音楽室でのライブ。子どもたちはかっこよくアレンジされた童謡に、心を躍らせた様子で楽しんでいました。後半の「おもちゃのチャチャチャ」では、子どもたちに楽器を配り「チャチャチャ」の部分で好きに音を鳴らしてもらったり、「アイアイ」では、かけ合い部分をみんなで一緒に歌ったり、お客さんにも参加してもらいながら子どもも大人も笑顔あふれる楽しい時間をつくりました。
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○午後はどなたでも楽しめる屋外ライブ
初夏を感じるほどの暑さが、心地よい5月の風でようやく和らいだ夕暮れ前、たくさんの方々が待ち望んでくださったライブがスタート。子どもも大人も関係なく、知っている曲が演奏されると嬉しそうに一緒に口ずさみ、ドラムやキーボードが奏でるジャジーでかっこいい音色に身体を揺らしていました。ROCOさんのオリジナル曲「おめでとうた」では、ROCOさんのあたたかみのある歌声が校庭いっぱいに広がって、一人ひとりが生まれてきたことへの「おめでとう」が、みんなを優しく包み込んでくれるようでした。
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花壇のチューリップも色とりどりに咲き乱れ、あたたかくてまさに畑日和な日曜日。
新メンバ-さんも加わって、心機一転、2013年度最初のワークデーが行われました。
この日のメニューは・・・・
<やったこと>
・トンネルのところの開墾
・トマトときゅうりの植えつけ
・はつかだいこん、ほうれんそうの間引き
・花壇の草取り
・プレートのペンキ塗り
・子どもばたけの草取りと開墾?
<しゅうかく>
・エントランスのきぬさや(お昼にいただきました。甘くておいしかった!)
・きれいなチューリップ(とてもいいかおり)
・ミント(畑作業後のハーブティーに)
・はつかだいこんの葉(間引きしたもの)
長かった冬も終わりようやく春を迎えた畑に、今年もたくさんの実りがありますようにと願いを込めながら畑の開墾をしました。土を掘り起こし、灰や腐葉土など土を豊かにするものを加え、子どもたちも手伝って混ぜ混ぜしていきます。新メンバーの子同士が「一緒にやろう!」「うん!」といつのまにかとても仲よしになっているのもグリグリの春らしさ。
土を十分耕したら、いよいよ苗を植えていきます。この日は、トマト、きゅうりなどを植えました。
校舎のエントランスの方では、あったかくなってすっかり大きくなったきぬさやの収穫をしていました。
4歳の男の子は収穫にすっかり夢中で背伸びをしながら「ひとつ~ふたつ~」と一生懸命に収穫をしていました。

先月のワークデーで種まきをしたはつか大根にも芽が出てきて収穫まであと1歩の様子。先月から加わったメンバー親子が「こないだ種まきした大根、芽が出ている!!」ととても嬉しそう。ぐんぐん成長してもらうために、間引き作業をしました。
「全部抜くんじゃなくて少しずつね!」との声かけに3歳の男の子が「優しく、ちょっと」とかわいらしい声かけをしながら間引き作業をしていました。
前回のワークデーでの水田計画から一転、子ども畑では、草取りをしてきれいにして、土を掘り起こしはじめました。
しばらくすると小学生の子が「なんか板がでてきたー!」と大騒ぎ。
土にまみれているまな板を水で洗い流し、「これはなんだろう?」「いつくらいに埋めたものかな?」と推測しはじめました。
ずっと前のワークデーで、埋まってしまったものなのか真相はわかりませんがなんだか、石器を掘り起こして考古学者のように推測する子どもたち。
今年はどんな子ども畑になるのでしょうか。

いろいろなことをしているうちに、あっという間に時間が過ぎ、最後は今日のメンバーみんなで花壇の草取りをしました。
みんなの力ですっかり花壇はきれいになり、チューリップたちも嬉しそう。
次のワークデーでは「体感デーの準備を頑張りたいね」と言いながらこの日のワークをお開きにしました。

読んだ絵本:「はなをくんくん」「ぽぱっぺぽぴぱっぷ」「ぼくのくれよん」「ガッタンゴットン」「へんてこへんてこ」など
いつもより早く満開を迎えた桜がハラハラと舞い散る中、今年度最後のえほんの会を開催しました。今回は、久しぶりのえぽんずメンバーも大集合、ゲストもお迎えして、春を迎えるワクワクが溢れた賑やかな一日となりました。
午前の部、まずは種になったつもりで身体ほぐし。暗い土の中からモゾモゾモゾモゾ、芽吹いてグングン伸びて、ひまわりやトマトなど思い思いの花を咲かせた身体をフワフワと風に漂わせました。そして再び土に還り、種に戻ったら、絵本のはじまりはじまり…

一冊目は、「はなをくんくん」。冬眠していた熊たちが春の匂いを感じ、森に溢れ出す笑い声。今の季節にピッタリな絵本でした。続いては、「ぽぱっぺぽぴぱっぴ」という言葉遊びのような絵本。伝染していく「ぱ行」の響きにピアニカの演奏も重なり、えぽんずメンバーがお客さんの中に入って行くと、自然と笑顔も広がります。

三冊目は「ガッタンゴットン」。ゲストの叩くジャンベ(アフリカの太鼓)のリズムと共に、みんなで足踏みや楽器を鳴らしながら旅に出かけました。四冊目はお客さんからのリクエストで選ばれたお話。ぞうさんの作った落とし穴が、もぐらや雨のおかけで巨大な泥んこプールになってしまう「ぞうさんのおとしあな」。プールに入った様子を身体も動かして楽しみました。

そして午前の部の最後の絵本は、久しぶりの「ことばのあいうえお」。あ行~わ行まで、五十音を繰り返すうち自然とリズムが生まれて歌になります。「い」は「いたい」など、五十音の一つ一つから始まる言葉が一ページずつ描かれた絵本。お客さんの「ストップ」の合図で開いたページの言葉をえぽんずメンバーが広げていきました。最後はちょうど「さ」で「さようなら~」、ということで絵本はおしまい。
でも、会はまだ終わりません。この日ゲスト参加の純子さんが、「えぽんずソング」を作って来てくれました!ぱ行の歌詞がたくさん出てきて、ジャンベや手拍子でみんなで歌ってみました。みんなで「ピピパプペパ~」と何回も歌ってから会をお開きにしました。
さて、お昼を挟んで午後の部は、赤ちゃんを抱えたパパママえぽんずメンバーも参戦。さらに賑やかに始まりました。一冊目は「ぼくのくれよん」。「絵本が見えるとこまで寄っといで~」と声をかければ、かぶりつきの子どもたち。みんなが好きな色を尋ねてみたり、絵本の中に登場しなかった色を部屋の中で探したり、「もう一回読んで!」というリクエストもあって大盛り上り。

そのままの勢いで、再び「ガッタンゴットン」と旅に出ます。帽子を被ったサーカスが登場したり、山に登って「ガッタンゴットンガッタンゴットン」みんなで部屋の中をあっちへこっちへ一緒に旅しました。

旅が終わるとそこに登場したのは橋。三冊目の「へんてこへんてこ」は、渡ると不思議な事が起こる不思議な橋のお話。えぽんずメンバーが身体で作った「へんてこ橋」。渡ると身体が長~く長~く伸びてしまうのです。犬や猫、キツネに象など様々な動物が長~くなってしまうのを、お母さんや子どもたちにも実演してもらいました。言葉と音楽の境目を自由に行き来する子どもたちは、いつの間にか楽器ブースも作って準備万端。絶妙なタイミングで絶妙な音楽を奏でて、お話を素敵に演出してくれました。

締めくくりは、立ち上がって身体を動かしながら「知らざあ言って聞かせやしょう」という歌舞伎のお話を。読み始める前に、足を踏み鳴らしながら一斉にジャンプする練習、歌舞伎の世界へ突入です。お母さんたちにも一ページずつ「さあ!」と読んでもらいます。最初は突然の事に戸惑う方もいらっしゃいますが、だんだん要領が分かってくると歌舞伎役者っぽい演出がみんな上手くなり、足踏みもジャンプも元気になっていきました。

使われている言葉も内容も難しいお話、抽象的な言葉が一見意味なく羅列されているお話、たくさんの生き物や自然に気づく事のできるお話など、色々なお話が絵本の世界には溢れています。えぽんずメンバーは、その世界を身体の動きや音楽を織り混ぜて広げて旅をします。そして言葉や音楽、リズムと身体がまだまだつながっている子どもたちの生きている世界と出会う時、そこに現れる世界の深く静かな豊かさに、大人は毎回ハッとさせられるのでした。
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☆3月のえぽんずさん:
赤羽さや香さん、竹内みずゑさん、田中晶さん、渋谷橙さん、菊池千里さん、櫻井拓見さん
ゲスト:
柳澤純子さん

やっとやっと寒さが落ち着いた気持ちのいい日曜日、長い冬季休暇から戻ってきたメンバーさんや、体験できてくれた親子が集まって、賑やかにワークデーが行われました。
この日のメニューは・・・・
<やったこと>
・じゃがいもの植え付け
・はつかだいこん種まき
・ハーブガーデンにタイムとイタリアンパセリの種まき、
・ドクダミ対策でワイルドストロベリーの移植、お花植えつけ
・おマメトンネルついに解体?!(→建て替え予定)
・子どもばたけ水田計画
<しゅうかく>
・ほうれん草、小松菜、大根などたくさん(お昼にスープをいただきました)
・きれいな水仙。とてもいいかおり
・レモングラス(おひるのハーブティーに)
・エントランスのきぬさや
3月のイベントと言えば、じゃがいもの植えつけ。今回メンバーのみんなが選んだじゃがいもは、フレンチポテトにするとおいしいという「サッシー」と、紫色がきれいな「ノーザンルビー」と、ほくほくがおいしい「インカのめざめ」。それぞれどんな特徴があるのかみんなでおさらいしてから、種いもは適当なサイズに切り、断面にくんたんをすりつけておいてから、ふかふかに耕した畑に植えつけました。
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この日のもうひとつのハイライトは、ハーブ苗の植えつけでした。ハーブ畑には元々大きなコニファーが2本立っていたのですが、1月の大雪で1本が根こそぎ倒れ、そのおかげで畑が広がったのでハーブ苗とお花の苗を植えつけました。苗は、メンバーの一人が、朝、園芸店で買ってきてくれたもの。一つ一つどんな苗なのか説明してもらってから、手分けして作業をしました。
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畑の方で順調に作業を進めている一方で、盛大に行われていたのが「水田づくり」。今やグリグリのガキ大将とも言えるYくんが「コメつくりたい!」と言いだし、あっとうまに畑と芝生の一部を掘りだして水田か、ダムか、はたまた水路か?と言ったようなものを作りだしていました。ちょっと感心してしまうほどのいい仕事ぶり。。。こんな姿はいつ以来かしらーってつい感動してしまったりして。コメの栽培方法もネットで色々調べたり、循環装置を作るんだとはりきっていたり、熱意はすばらしいのだけど、どういう計画なのかが見えないため、「次回までに計画書をつくってくること!」と言ってこの水田は後日埋め戻されました。この続きをどうぞ見守ってやって下さい。
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なんやかんやと盛りだくさんな一日でしたが、これもまた春のグリグリらしいあわただしさ。暖かくなると人も出てきて、あれこれもやり出すのは、やっぱり人間も他の動物と同じように季節にあわせて行動する生きものだなぁと思わずにいられません。植物もまた、同じです。そんな森羅万象を感じられる面白さがグリグリに多くの人を引き付けるのかもしれません。4月のワークデーにはまたもっと多くの植物が成長し、人も出てくることでしょう。
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底冷えする寒さが続くこの日も、グリグリは元気に畑づくり!と思って集まったものの、この日のメンバーはたったの5人。小さい子どもたちが多く参加しているとはいえ、とても珍しいほどの欠席率。
「今日は寒いからまずはお茶でも飲みながら、来月植えるじゃがいもや春夏育てる野菜の相談をしようか」
なんて言いながらティータイムでスタート。結果を急がず、プロセスをもっとも大切にしているグリグリでは、一見“ゆるい”と思われるような時間も大事なコミュニケーションの時間です。暖かい教室で、カブさん(グリグリの参加アーティスト)が用意してくれた13種類ものおススメじゃがいもの情報を眺めながら、「フライドポテトにしたいなぁ」「コロッケにむいてるのもいいなぁ」「名前がおもしろいね」なんて言いながら、じゃがいも投票。欠席だったメンバーにはネット上で投票してもらいます。近いうちに集計をとって、来月のワークデーには植えていくことになります。さて、どのじゃがいもが植えられるのでしょうか。楽しみです。ほかには、夏野菜はどんなのものを植えるか相談し、意見がまとまったところでお昼の時間になったので、ティータイムのままランチタイムへ。ランチタイムはうって変って隕石落下の話題でもちきりでした。
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午後になるとカブさんが来てくれて、この先栽培する予定のトマトのためのビニールカバーをかわいく装飾しました。用意してくれたたくさんのカッティングシートを切って貼ってお絵かきです。自分の思いつきでどんどんつくる人、誰かがつくった絵をヒントにつくる人。気がついたらゆかいなコラボレーションになっていて、あまりの楽しさに一同時間を忘れて次から次へとつくっていました。
あまりに夢中になりすぎたので、造形には区切りをつけ、もう夕方近いというのに次回植える野菜やハーブのための土づくり、ほうれんの種まき、バラやぶどうのお手入れなどをしました。寒い寒いと言いながらも、暖かくなったときに元気に植物が育ってくれるように手入れは不可欠です。
「来月はもっと芽が大きくなっているかなー」などと話しながらの作業は、スタッフもしみじみ楽しいなぁと感じてしまうのです。暗くなるギリギリまで作業がつづいたところを見ると、メンバーのみなさんもきっと楽しかったに違いありません。
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「じゃあ一カ月後に!」と言って長ーいワークデーが終わりました。

小学4年生61人と取り組んだ、水内貴英さん(美術家)のワークショップをご紹介します。「空間で遊び、楽しくコミュニケーションとりながら形ができていき、クラス全体で空間を大きく使った作品をつくりたい」という先生からのリクエスト。各クラス2日間、実際に作業できる時間は3時間弱という短い時間が課題でしたが、『フォールダウン・オブジェクト~一瞬の作品~』と題して、作品を落下させる事で一瞬だけ成立する作品を制作することになりました。
ワークショップの導入は、アーティストの自己紹介。「変な事を仕事にしています。」と挨拶した後、実際にどんな作品を作っているか作品を見せながら説明します。興味をもった子どもたちから「それ今日作るの?」「すごい!」などあちらこちらで声が聞こえます。アーティストは「つくるのも仕事だけど、思いつかないと作れない。思いつくのが大変。みんなも自分の創造力をいっぱい使って、面白いことを思いついてください。」とメッセージを送り、この日のワークショップの説明へとつなげました。

落下させる作品ということで、空中にくす玉のような装置を設置し、その中に、子どもたちが自由に制作した作品を仕込んで、最終的にはみんなで一斉に落下する瞬間を眺めるという内容です。装置の使い方や、材料の説明をした後は、一斉に作業に取り掛かりました。
子どもたちは、見本で見せたパラシュートや紙飛行機のつくり方をアーティストやスタッフに教わりながら発展させたり、材料からインスピレーションを得てどんどん新たな形を生み出していったり、迷うことなく手を動かし始めます。作ったものは各自自由に装置に仕込んで、実際にどんな風に落下するか試していきます。装置の扱いがなかなか難しいので、自然と何人かのグループになって作業を分担する子もいれば、自分の作りたいものを大切にして、落下させる時だけ手伝ってくれる人を交渉して見つけるなど、様々なやり方で制作を進めます。

スタッフが見ていると、「それは絶対失敗するなあ。」と思うような特大のパラシュートを作り始めた子が。実際に落下させてみると、やはり紐が長くて重すぎるため上手くパラシュートが開きませんでした。しかし、彼はそこで諦めることなく、工夫すべきて点をアーティストと相談しながら再チャレンジ。子どもたちは失敗を重ねる中でどうすれば成功するのか、装置はどのように使えば良いのか、次々に学んでいっている様子でした。そうしているうちに時間はあっという間に過ぎ、納得できる結果が得られたグループもそうでないグループも一旦作業を終了。次回への期待を胸に挨拶をして学校を後にしました。

そして一週間後、2回目のワークショップは、装置の数を全員分に増やし、最後には一斉に落下させる時間を設けることを説明して作業に取り掛かりました。体育館に入って来た時からヒソヒソと何やら作戦を立てて話を聞くより作業をしたい気持ちが溢れていた子どもたち。この日も迷うことなく作業に取り掛かり、1回目とは違う事に挑戦したり、前回の内容をさらに工夫して発展させたりしがら、黙々と作業に入っていきました。

どんな風に見えるか何回も試してみたり、扱う素材を増やしてみたり、途中で糸が絡まったり装置が引っかかったりするなどのトラブルもちらほら見かけますが、大人も協力しながら、限られた時間の中でも力を尽くします。装置自体にも飾りを付け始める子や、垂れ幕のようなものを作ってメッセージを描いているグループ、プレゼントのようにラッピングする子など、様々な工夫が増えていきました。

そして最後は、いよいよ列毎に同時に落下させます。装置の準備を揃えるだけでも時間がかかりましたが、「私が持っていようか?」「ひっぱるのやっていいよ。」などお互いに協力し合いながら何とか設置完了。「5、4、3、2、1!」のカウントダウンで一斉に落下です!本当にほんの一瞬でしたが、キラキラした陽射しの中をフワフワと舞い散る作品に子どもたちからも歓声が。終わりの挨拶では「自分にしかできないことを考える。誰の真似もできなくなった時に、何もないところから考える。そういう事を思い出してくれたら嬉しいです。」とアーティスト。たくさんの創造力を秘めた子どもたちだったので、これからも面白くて楽しいことでいっぱいの毎日をつくってくれるといいなと思いました。
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水内貴英/美術家
https://www.children-art.net/mizuuchi_takahide/

読んだ絵本:「ふしぎなナイフ」「ふようどのふよこちゃん」「オオカミがとぶひ」「ブラッキンダー」「はやくはやくっていわないで」など
新しい年を迎え陽の光がキラキラと差し込む暖かな1月の日曜日に、えほんの会を開催しました。今回のえぽんずメンバーは渋谷橙さんと田中晶さんのお二人。珍しく男性のみの回となりました。
午前の部、今年の干支にちなんでニョロニョロと蛇のように身体をほぐしてスタート。その蛇の身体がいつの間にかナイフになり、「ふしぎなナイフ」が一冊目。ポキッと折れるナイフ、プクーッと膨れるナイフ、どんどん不思議な形に変化してきいきました。

二冊目に読んだのは少し長めの物語「ふようどのふよこちゃん」。腐葉土が主人公のお話に、「ふようど」って何だろうと考えながら、豊かな自然を支える腐葉土の様子が語られていきました。そのうちに、えぽんずさんの差し出す楽器で子どもたちが即興の演奏をつけ始めました。

それならばと、みんなに好きな楽器を選んでもらい「カニツンツン」ではみんなに楽器を鳴らしてもらいながら読みすすめ、途中からは言葉に身体の動きもつけて、よじれたり、伸びたり、床をゴシゴシこすったり、様々な動きをみんなにも真似してもらいました。そしてその後もずっと楽器と一緒に賑やかなまま午前の部を終えました。

午後の部は、お昼ご飯も食べた後だからか、まったりした空気の中でスタート。最初の身体ほぐしは近くの人にも触れながら、身体を柔らかく伸ばしていきました。そして、一冊目は「ブラッキンダー」。黒い線で描かれる宇宙のような絵や「キンダー」と呼ばれるサボテンが登場したり、「ブラッキンダー」ってなんだったのか、という抽象的なお話でしたが、子どもたちは静かに世界に引き込まれていました。

そんな集中力のある参加者の方々の様子だったので、二冊目も「はやくはやくっていわないで」を静かめバージョンで。途中から打楽器で演奏をつけてみると、ピアノの得意な女の子が弾いてくれた曲がちょうど良いBGMになり、えほんの世界にピッタリでみんなからも拍手をもらっていました。

その姿に触発されてか、楽器に興味をもつ子どもが少しずつ音楽を奏で始めます。アコーディオンを抱えて、ちゃんとえぽんずさんの朗読に併せて演奏する女の子がいたり、自分の好きな楽器をたくさん並べて演奏していたらいつの間にか絵本のお話にピッタリの効果音になっていたりして、子どもたちの感覚には脱帽です。
その後は紙芝居で「おおきくおおきくおおきくなあれ」。みんなにも「おおきく~」と言葉を言ってもらい、卵から恐竜が生まれたり、大きな大きなケーキに変身したり、その様子に子どもたちも楽しそうに反応していました。たくさん音を出して声も出した後は、午前にも読んだ「ふようどのふよこちゃん」を賑やかバージョンで。子どもたちは音楽にも慣れた様子で、えぽんずメンバーにも近寄って賑やかに聞いていました。

さて、次回のえほんの会は3月30日(土)を予定しています。
春の光が感じられるようになっていればいいなと思いながら、皆様のご来場をお待ちしております。
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☆1月のえぽんずさん:渋谷橙(俳優)、田中晶(俳優)

小学校の特別支援学級で取り組んだ、上村なおかさん(ダンサー・振付家)によるワークショップをご紹介します。昨年度は美術家のアーティストとワークショップを実施した学校ですが、「ゲストが来て何か楽しいことをしてくれた」という体験を継続していきたい、という先生からのリクエスト。今年はダンスや音楽を使って自由にのびのびと表現活動を楽しめるようにということで、友だちと関わったり、普段動かしてない動きを経験したりするような内容に取り組むことになりました。アシスタントにはダンサーの戸川悠野さんをお迎えして、3日間実施した中から2~3日目の様子をお伝えします。

まずは2日目。ワークショップの始まりは身体をほぐすところから。足の先をマッサージしたり、肘、お腹、と身体の部分を一つずつ触ったりつまんだりして感触を確かめ、色々な触り方で自分の身体を労わるようにしてくまなく全身にふれました。続いては二人組のワーク。一人が寝転んで、もう一人が手を差し出した所へ順に足を伸ばして触れていきます。アーティストが見本を見せた後に早速やってみると、上下左右あちらこちらへ差し出される手によって、様々な身体の形が生まれると同時に、相手が届かない所へは差し出さないという自然な優しさも見られました。そうしてだいぶ身体がほぐれたら、次はタンバリンの音に合わせて「シャラララ」と鳴っている時は動いて移動、「パン!」の合図でピタッと静止するワークへ。移動はただの移動ではなく、アシスタントの方へ向かって好きな動きを考えながら進みます。6年生の男の子がスーパースローでゆっくりゆっくり時間をかけて歩く様をアーティストが取り上げ、みんなでその足の動きを観察しました。止まる時は相手にそっと触れて止まります。相手が痛くないように、自分の身体が気持ち良いようにしながら、ゆっくり動く難しさも感じて身体の感覚が開かれていくようでした。
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その後は、教室に青と黄色のビニールテープを交互に一直線に貼り、その上を一人ずつ歩きました。青はゆっくり、黄色は速く、また青になったらゆっくり歩きます。速い遅いも一人ずつ違ったスピードがあります。あっという間に端までたどり着く子、じっくりじっくり少しずつ歩を進める子など、一人ひとりの違いをアーティストが認めながら、息を呑むような静かなソロダンスが続きました。最後には、ビニールテープをあちこちに貼って、音楽をかけながら自由にテープとテープの間を移動、色のルールはそのままに全員で踊る時間です。細いテープの上に同時に何人か集まってギュウギュウになる時もありますが上手く譲り合ったり関わり合ったりして、最後の最後は「今日の形!」でポーズを決めて終えました。
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最終回となる3日目は場所を変えて体育館での実施。校庭に雪の残る寒い日でしたが、広々とした環境の中でたくさん身体を動かす事ができました。最初の身体ほぐしは、お尻だけ床に付けてクルクルと回ったり、全身をブラブラさせてジャンプをしたり、足を開いたり閉じたり、これまでと同じように丁寧に自分の身体に向き合っていきます。続いては、差し込む陽の光を利用して、日向を海に見立てて魚になって動いてみました。アーティストがトーンチャイムを鳴らしながら「いろんな泳ぎ方考えていいよ」と言えば、「ホオジロザメになる」など口々に言いながら、床は冷たいのにニコニコと嬉しそうにそれぞれのイメージを広げていました。
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その後は、体育館に元からある色の線を利用してのワークです。子どもたちにもアイデアを聞いて、赤は「クルクル回る」、白は「滑る」、青は「ブルーなのでブルブル(学校でダジャレが盛んな事を発見したアーティストのアイデア)」、黄色は「カチンコチンで形を決めて止まる」、緑は「ゆっくりと森の生き物になって動く」というルールを一色ずつ確認しながら取り組みました。もちろん全てのルールをアーティストが指定する事もできましたが、この日の子どもたちの様子を見てアイデアを出してもらう事に。結果的に自分たちが決めたルールということも、取り組みへの意欲を高めたようでした。
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アーティストは、色ごとにタンバリン、鈴、マラカス、トライアングル、トーンチャイムと楽器でその場で音を付けながら、面白い動きを認めたり一緒に動いてみたり、子どもたちの表現を広げる環境を作っていきました。子どもたちは色ごとに違う動きにもしっかり反応して、線の上で渋滞になっても喧嘩したりはせずすっと避けたり、出会った友だちと一緒に動いてみたり、様々な関係性も垣間見えました。

その後は一人のダンスの時間。体育館の真ん中を端から端まで「途中にあるポール立ての銀色の蓋の上はジャンプして、それ以外は自由!」と説明してスタート。やりたい子が次々に手を挙げました。かなりの距離ですが、堂々と前を見つめ床を見つめ、くるくると、しっとりと、軽快に、そして時に戸惑いながら一人ひとりのダンスを披露、順番を待つ子どもたちも静かに見守ります。全員が終わってもまだ踊り足りない様子で、「2回目も良いよ」とアーティストから声がかかると、一人ずつではなく次々と前へ進み、そのまま全員でのダンスへ突入。再び一通り色の動きをした後は、一曲分の自由ダンス。広いと思った体育館が狭く感じる程、子どもたちの身体が空間を清々しく埋めていきのびやかに表現する姿に見とれているうち、あっと言う間に終了の時間となりました。
最後の振り返りでは、「見所がちょこちょこあって、みんな音の変化も良く聞いていた。視聴覚室で実施した前回までの経験が残っていて、体育館へと場所が広くなったことで、みんなの中でも表現が広がっていた」とアーティスト。先生からは、「普段ダンスというと運動会行事など決まった動きのものになり、そうすると“できない”“他の子と一緒の動きにならない”などとなってしまうが、ワークショップを通して創作する楽しみを学ぶことができたと思う」との感想をいただきました。毎回先生たちもワークショップに一緒に参加して下さって、子どもたちの変化を丁寧に拾いながら細やかにサポートしていただけた事も、子どもたちがのびのびと安心して表現出来るあたたかい環境につながっていて、子どもたちや先生との再会ができたことを心から嬉しく思いました。
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上村なおか/ダンサー・振付家
https://www.children-art.net/uemura_naoka/

12月のえほんの会
読んだ絵本:「くものこどもたち」「ラーメンちゃん」「あいうえおにぎり」「てぶくろ」「ぶたたぬききつねねこ」「ぶんぶんぶるるん」「はらぺこあおむし(英語バージョン)」など
12月も半ば、クリスマスも近づいてみんながワクワクしている日曜日、約3ヶ月ぶりのえほんの会を開催しました。
今回のメインは音楽家のえぽんずさん。なので、来てくれたお父さんお母さんに呼びかけて絵本を読んでいただき、えぽんずさんが絵本に合わせて様々な音を出しました。大勢の前で絵本を読むのが初めてというお父さんお母さんも、いざ絵本を読んでもらうと子どもたちみんな絵本に夢中。とても素敵なえほんの会になりました!
午前の部、まずは楽器の紹介から始まりました。見たこともない楽器に子どもたちも興味津々。みんなで音遊びを楽しんだ後は、いよいよ絵本の登場です。
二冊目に読んだのは「ラーメンちゃん」。ラ・ラ・ラ ラーメンちゃんのリズムがおもしろい可愛らしい絵本です。中でも盛り上がったのが「つるつる♪つるつる♪つるつるめん♪」の言葉に合わせて参加者の方々が大きな布の麺の上をみんなで渡って渡って、ラーメンを作った場面です。みんなで大きな美味しそうなラーメンを作ることができました。

そしていよいよ参加者のお父さんお母さんが読み手となっての絵本の時間が始まりました。
お子さんが隣で読み手のお父さんお母さんを見守る姿も見られ、とても優しい時間が流れていきました。最後には英語バージョンの絵本も登場してみんなで英語にも挑戦、とても楽しい時間となりました。

お昼を挟んで、午後の部。
午後の部の楽器の紹介では子どもたちが実際に楽器を触って音を出してみました。初めて聞く音に子どもたちもとても嬉しそう!笑い声と共に午後の部が始まりました。
午後の部の最初は、クリスマスも近いということで『赤鼻のトナカイ』をみんなで絵本の途中で歌って一足早いクリスマスを楽しみました。三冊目は、参加者のお母さんが読んでくれた「だるまさんシリーズ」「だるまさん」の後に続く言葉をみんなで考えてもらいながら楽しい時間が流れていきました。
最後の絵本「どうぞのいす」では参加者のみなさんが登場人物のリスやうさぎの主人公になりきって、絵本に登場したり、本当のはちみつを小道具として使ってみたり、即興でちょっとした劇を作りながら、絵本の世界に入り込むことが出来ました。

あっという間に時間は過ぎて、午後の部の最後はえぽんずさんのライブで締めくくりました。暖かな夕暮れが差し込む部屋の中での優しい音楽に子どもも大人もうっとり。贅沢なライブとなりました。

次回のえほんの会は1月27日(日)を予定しています。
まだまだ寒い日が続きそうですが、暖かなほっこりとした時間をご用意して皆様のご来場を心よりお待ちしております。
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☆12月のえぽんずさん:後藤勇さん(コントラバス)
ゲスト:坂ノ下典正さん(ギター)、米本実さん(自作電子楽器)、鈴木由花さん