芸術家と子どもたちでは、コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』の支援を受けて、豊島区内のひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち、母子生活支援施設の子どもたちなどとのワークショップを実施しました。
最終日には、2つのチームが交流して、オリジナルの演劇作品の発表会を行いました。
◎実施概要
ひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち×渡辺麻依・酒井直之 |
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参加した子どもたち:年中~中学2年生 22人 |
アーティスト:渡辺麻依(演出家・俳優)、酒井直之(振付家・ダンサー) |
アシスタント・アーティスト:佐藤円(俳優)、ケンノスキー(俳優)、鈴木亜希子(俳優)、豊田ゆり佳(ダンサー) |
ワークショップ実施日:➀5/13 ②6/24 ③7/22 ➃7/29 ⑤8/12 ➅9/30 |
母子生活支援施設の子どもたち×中村大史 |
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参加した子どもたち:小学3年生~中学1年生 5名 |
アーティスト:中村大史(音楽家) |
ワークショップ実施日:➀7/8 ②8/10 ③8/24 ➃9/9 ⑤9/16 ➅9/30 |
・演劇&ダンスワークショップ
渡辺麻依(マイボ)さん&酒井直之(なおっち)さんは、認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(以下、WAKUWAKU)の協力をえて、ひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたちなどと演劇&ダンスのワークショップを重ねました。
参加した子どもたちの年齢の幅が広かった今回のワークショップ。
暑い時期のワークショップだったということもあってか、海の世界をイメージして、空間をのびのび泳いでみたり、海の生き物を身体で表現しあったり。即興でセリフを考えてオリジナルの物語をつくることにも挑戦しました。
また、劇で使う小道具をつくる工作の時間も取り入れながら進んでいきました。カラフルな軍手に目をつけてイソギンチャクを表現したり、透明フィルムで海の生き物を作って影絵遊びも楽しみました。異年齢の子ども同士で協力したり、アーティストたちに手伝ってもらったりしながら、いろんな海の生き物が完成しました。
・母子生活支援施設でのワークショップ
中村大史(アニー)さんは、愛の家ファミリーホーム(母子生活支援施設) の子どもたちと、音楽のワークショップを行いました。
アイルランド音楽の演奏家でもある中村さん。子どもたちは珍しいアイルランドの楽器に実際に触れてみたり、ブラジルの手遊び歌『ビンバンビリビリ』に挑戦して、リズムにあわせて身体を動かしたりもしました。
「音のしりとり」では、隣の人のハンドベルの音が完全に鳴りやんだタイミングで、自分のハンドベルを鳴らします。毎回のワークショップには、職員さんも一緒に参加して、繊細な音に耳を澄ませる時間も丁寧に共有していきました。
・発表会
最終日には、演劇&ダンスチームと音楽チームの子どもたちが交流し、ひとつの演劇作品を発表しました。
『ふしぎな海の物語』というタイトルで、海の世界に迷い込んだ子どもたちが、海の生き物に出会い、ゴミで汚れた海を綺麗にしていくというオリジナルの物語です。
セリフ、ダンス、音楽、影絵で表現しました。
演劇&ダンスのチームと音楽チームは、初めて交流しましたが、お芝居やダンスに合わせて演奏する場面では、互いの動きをよく見て、音をよく聴いて表現する子どもたちの真剣な姿が印象的でした。
発表会には子どもたちの保護者の方々や、WAKUWAKUの関係者の方々、愛の家ファミリーホームの職員さんなどの子どもたちの支援に関わっている地域の大人たち、このワークショップを支援してくださったコープみらい×中央共同募金会の方も足を運んでくださいました。
劇本編の前には、出演する子どもたちが声をかけながら、お客様にもカラフルなフィルムを切りぬいて海の生き物を作ってもらいました。劇のなかで、その生き物を使って登場してもらう観客参加の時間も設けられ、皆様が楽しく参加してくださいました。
発表後、出演した子どもたちが観客の皆様に感想を聞く時間も設けられました。
「自分なりに表現しているところが上手だった。」「生き生きと、堂々と表現していて成長を感じた。」などの感想を、子どもたちは少し照れながらも嬉しそうな表情で受け止めていました。
子どもたちからは、
「最初はすごくドキドキしたけど、どんどんやっているうちに楽しくなりました。またやりたいです。一番楽しかったことは、音楽に合わせて踊るところが楽しかったです。いい思い出になりました。ありがとうございます。」(小学4年生)
「みんながすごい頑張って、自分も頑張る気になれた。」(小学2年生)
「楽しかった。みんなが協力していてとても良かった。」(中学1年生)
などの感想が届きました。
終了後はアーティストやWAKUWAKUや愛の家ファミリーホーム職員、芸術家と子どもたちスタッフとで大人の振り返りを行いました。
参加した子どもたちの変化、発表でキラキラした表現が見られたことに喜びながら、地域の子どもたちとの表現の場を継続していくためには、「ドアをたたき続ける」地域の大人たちの存在が大切だと改めて認識することができました。
ワークショップをきっかけに新しい地域の友達に出会ったことや、アーティストと一緒にひとつの作品をつくり、お客様から大きな拍手をいただいた経験は、子どもたちにとってもかけがえのないことだったと思います。
サポートしてくださった保護者や地域の皆様、WAKUWAKUや愛の家ファミリーホームの皆様、そして、コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』の寄付者の皆様に、心よりお礼申し上げます。
主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
助成:コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』
協力:認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、社会福祉法人 愛の家 愛の家ファミリーホーム