夏休みが始まる7月は、2年1組親子向けワークショップを2回行いました。今年度三回目となる7月30日は、『みんなでなりきり!げきあそび』という演劇のワークショップでした。アーティストは演劇企画「思考動物」の前嶋ののさん、関根好香さん、そして音楽担当の大橋エリさんの3人にお越しいただきました。
小さい子も対象にした演劇ワークショップということで、演劇的要素がどこまで子どもたちに伝わるか多少の不安もありましたが、絶妙なプログラムの内容と、保護者の方々の積極的な参加により、見応えのあるワークショップとなりました。
まずはストレッチやランニングで身体と心をほぐします。ストレッチも身体だけではなく、顔の表情をほぐすことも取り入れ、みんなの面白顔に笑い声もちらほら。みんなで真中に集まったり、散らばったりという動きの後、ランニング中には、前嶋さんたちからクッションなどが投げ入れられ、テンポよく周りの人にパスを回しながら教室の広さや危ない場所を感覚でつかんでいきます。
その後は、大橋さんの音楽に合わせて、猿が人間になっていくまでを身体で表したり、「ここは海の中」という設定のもと、魚やワカメに成りきったりしました。
続いては、声を使った内容で、いろんな擬音語を考えて声をパスしたり、みんなで寝転がって目を閉じ、ジャングルに聞こえて来そうな音を考えたりしました。鳥の声やターザンのような声、どこかから何か動物がやってくる足音と、ジャングルで開かれるお祭りなど、少しずつイメージを広げていきました。
そして最後にはグループに分かれ、前嶋さんから一枚ずつポストカードが渡されました。そのポストカードの絵を、グループの全員で、身体で真似してみようというのです。最初はそのお題に少々驚いている人たちもいましたが、「え~っ!」と言いながらも、相談してとにかく身体を動かしてみます。なかなか難しい絵もありましたが、グループで協力して何とか形を作り上げていきました。
そしてそして、仕上げは、その絵から短いお話を作っての発表会を行いました。椅子やボールなどちょっとした小道具も取り入れて、熱心な相談の後、いよいよ発表です!
出来あがったお話は、モデルの絵を描くお話、いなくなった猫が帰ってきたお話、赤ちゃんたちが泣いたり遊んだりしているお話、謎の卵が鳥に割られて魚が登場するというお話、という4つの物語でした。たった一枚の絵から、場面の設定やセリフを考え、そこに登場する動物や人間のしぐさや表情にも工夫を凝らし、どれも続きが気になる見事な出来栄えでした!
「物語の中でわたしたちは、どこへだって行けるし誰にだってなれるんだ。自分じゃない誰かになってみたら、誰かの心がわかるかもしれない。それが『えんげき』。」という前嶋さんのメセージの通り、『えんげき』の楽しさを体感した一日でした。