にしすがも創造舎の校庭で畑づくりをしているグリグリでは、5年ほど前から剪定した野菜の葉や茎、刈り取った雑草などを堆肥化してきました。畑で育った植物は畑に還してあげようという、エコ意識の高い人なら実践していることをやってきたわけですが、グリグリは特別そういう人たちの集まりではないので、堆肥にすることがどういうことなのか、はっきりわからずにやっていたメンバーもいたかもしれません。
5年間働いてきた初代堆肥ボックスが、古くてお役目終了となったため、この度、グリグリでは畑に並ぶぶどう棚や石がまの新しい仲間として、楽しい堆肥ボックスにつくることになりました。そこで、美術家・水内貴英さんに来てもらって、ワークショップを開催してもらいました。題して「虫たちのマンション 堆肥ボックスづくりワークショップ」!
まず最初に、堆肥についてよく知っておこうということで、水内さんは堆肥にはたくさんの「虫」が住んでいることに着目して、ワークショップを進めてくれました。堆肥は何からできているのか、堆肥の中ではどのような虫たちが活躍しているのか、色々な虫や菌などの写真を見せてもらいながら学びました。
グリグリの子どもたちは(みんなではないですが)虫好きが多く、水内さんが堆肥に暮らす虫たちを紹介すると、「こがねむし!」「ハエ!」「トビ虫!」と大きな声を出して参加していました。そして、一通りお勉強したところで、
水内さんが「堆肥は、こんなにたくさんの虫が住んでいるから、虫のマンションなんだよね」というと、小さい子たちはニッコリ。大きい子たちは「なるほど!」と思ったようです。ここから造形の始まりです。
子どもたちは、堆肥ボックスの外側に貼りめぐらす白いビニールシートの上に、虫たちのマンションを描いていきます。色々な虫の写真を見せてもらった後なので、みんなそれぞれ頭の中にたくさんの虫のイメージができているようで、どんどん虫を描いていきます。知っている虫から空想上の虫、窓越しに座っているかわいい虫、虫用のエレベーター、悪そう~な虫など、本当に色々です。
子どもたちがこうして絵を描いている間、大人メンバーは外で堆肥ボックスの設営を行いました。4本の太い杭を打ち込んだり、金網を張って釘やワイヤーで留めたり、単純な構造の割には力と手先の器用さが求められる作業でしたが、中学生メンバーが主役になって手際よく作業をしてくれました。気がつくと、グリグリきってのやんちゃキッズの男子も集まり、設営作業を手伝ってくれました。「いつもより楽だね~」と大人から笑い声が聞こえるほど、子どもたちの活躍が目立ちました。
<隙をみては、いつものごとくダムづくりにいそしむ男子も・・・。>
午前11時からスタートした作業が完成したのは午後2時ごろ。子どもたちの描いた虫たちのマンションで埋め尽くされたシートを張ると、あまりのかわいさに「しばらく飾っておきたいねー!」「堆肥入れるのもったいない!」という
声があちこちから聞こえました。虫マンションの絵は、よく見るとマンションに留まらず虫たちの「街」になっていて、虫のトラックが走っていたり、働きバチがあちこち飛んでいたりして、本当に賑やかなものになりました。
グリグリの活動日は月に2回ほどですが、畑に入ることはいつでもできますので、お近くにお越しの際はぜひこのかわいい堆肥ボックスを一目見におたち寄りください!